いくら寒かろうが、
いくら雪が積もっていようが、
3月の声を聞くと、もう春だ! と、
ちょっぴり嬉しくなります。
特に、北国で、長く厳しい冬を過ごしていると、
春の到来ほど待ち遠しいものはありません。
地球温暖化で、暖冬、などと言われてますが、
冬が大変なことに変わりありませんからねえ。
二十四節気には、
冬ごもりをしていた虫たちが春に地中から這い出す、
という意味の「啓蟄」がありますが、きのこファンは、
「啓菌」などと置き換えているかも……(笑)。
そして、われわれきのこファンが、
春に地中からむくむくと姿を表すきのこの中で、
いちばん心待ちにしているのは、おそらく、
今回ご紹介する、アミガサタケではないかと。
ところで、冒頭の写真を見て、
アミガサタケがどこに生えているか、
おわかりになりましたか?
もう一度、写真をじっくり見てみてください。
写っているアミガサタケの数は、
10本や20本どころじゃないんです。
もう、ぶわ〜っと、生えてます(笑)。
シダの葉っぱの裏側とか、
地面の上の方をよ〜くご覧あれ。
わかります?
一応、ちょっと拡大して撮影した写真も、
ご覧いただきますね。
アミガサタケは、春に、
林内地上、あるいは、路傍に発生します。
サクラやイチョウの周囲でよく発生するので、
大都市の公園などでもけっこう見つかります。
きのこの高さは5〜12cmほど。
頭部はたまご形〜たまご状円錐形で、灰褐色。
表面には網目状に隆起したしわひだがあり、
不正形な小さな区画に分かれています。
柄は円筒形で白色〜帯黄色。
表面には細かな凹凸があります。
縦に割って見ると、
頭部から柄までつながった空洞になっています。
食。
もともと海外では春を代表する優秀な食菌で、
このところ、日本でも、その人気が高まってきたかと。
干したり、冷凍したりすると、
さらにお味がよくなるようです。
バターとかクリームを使った料理によく合います。
ただし、生食は厳禁。
おなかを壊しちゃいますので注意してください。
アミガサタケの仲間は、頭部の色や形によって、
いろいろな種類があったりするので、
同定するときには注意が必要です。
SNSでは、すでに関東地方から、
アミガサタケ発生の報が届いてますが、
その前線が東北・北海道に届くまで、
あとどのくらいかかるのでしょうか?
いまから、もう、楽しみで、楽しみで……。