この冬は、いろいろあって、
阿寒湖へは行かずに青森県で過ごしていました。
阿寒で過ごす冬と変わらずに、
ブナの森を歩き回りたかったのですが、
なかなか外出する時間がつくれず、
加えて、ニュースになるほどの暖冬で、
気がつけば、もう、春が来ておりました。
ぼくは、通年、北国で過ごすことが多いので、
春が来れば、きのこに会いたくてうずうずします。
川の水の色に灰色がかった青みを感じたり、
樹木の根本だけ丸く雪が溶けている森を見たり、
晴天だけど青空にやや霞がかったように見えるとか、
そんな、日常の一瞬に春の到来を実感します。
もし、いま、関東地方にいたとしたら、
今は亡き柴犬はなさんと歩いた雑木林へ行きたいです。
毎年、春になると欠かさずに姿を見せてくれる、
小動物のようなかわいいきのこがいるんですよ。
そのきのこの名は、
シロキツネノサカズキモドキ。
写真をご覧になれば、
小動物的だという印象に同意していただけるかと。
シロキツネノサカズキモドキは春から初夏にかけて、
半ば土に埋もれたような落枝から発生します。
頭部は、お椀状、カップ状で、
経は3〜10mm、深さ5〜10mm程度。
鮮やかな紅色で、外面には白い毛がびっしり。
底から下へ白くて長い柄が伸びています。
幼菌はてっぺんに小さな孔が空いてる球形で、
成長するにつれカップ状に開いていきます。
カップの口の周りには裂片状のぎざぎざが見られます。
かわいい!
食不適。
小さいし、真っ赤っ赤で毛だらけ、という外見では、
見るには楽しみや喜びしかありませんが、
食べる気にはなれませんよね……。
シロキツネノサカズキモドキは、
群馬県西部では、3月〜4月に発生していたので、
ここ青森でもこれから発生するはずで、
頑張って探しに行きたいなあ、と思っています。
ちなみに、初夏になると、
シロキツネノサカズキというきのこが出てきます。
発生時期がやや遅いこと、
顕微鏡で見ると胞子が小さいことが異なりますが、
シロキツネノサカズキモドキとほぼ同じ姿です。