雪がとけて、川になって流れて、
山や森へ出かける機会が劇的に増えると、
この流れ流れる不確実な世の中において、
絶対的真理とも言える確実なことを認識します。
それは、
双眼鏡は価格が高ければ高いほどよく見える、
という事実……(笑)。
きのこ観察、あるいは、きのこ鑑賞は、
5つの目があると、より充実するんです。
自分の二つの目、ルーペ、双眼鏡、そして、
なによりも重要な「きのこ目」の5つ。
ルーペは小さなきのこを見るときに使うとしたら、
双眼鏡は何に使うの? と、思いませんか?
実は、お値段がお高い双眼鏡は、
視界がクリアなだけではなく近くも見えるんです。
(ぼくの双眼鏡だと最短焦点距離は1.5m!)
あちこちの地面や倒木を、あんまり動くことなしに、
隅々までチェックできるってわけです(笑)。
数メートル奥にあるちょっと気になる倒木も、
立木についたきのこかどうか迷うような物体も、
ささっと確認できちゃいます。
とある新緑の候。
八甲田山麓に広がるブナの森。
珍しく双眼鏡を首からぶら下げて、
あちこちの倒木をチェックしていると、
斜面の中程にある朽ちた木の下側に、
キララタケを見つけました!
キララタケは、夏から秋にかけて、
広葉樹の切株や倒木などから発生します。
傘の径は1〜4cm、初めは卵形でのち鐘形。
表面は淡黄褐色で、細い放射状の溝線があり、
その名のごとく、雲母状の細かい鱗片が見られます。
(まもなく消失します)
ヒダは最初白色、胞子が成熟すると黒色になり、
ヒトヨタケの仲間らしく、傘ごと液状化します。
柄は高さ2〜5cm、白色で平滑、中空です。
食、としている図鑑もあるようですが、
ヒトヨタケと同じくアルコールと一緒に食べると、
悪酔いしたような中毒症状が見られるとか。
また、中枢神経系の中毒症状が出ることもあるとか。
それでも、食べたいですか?
どうぞ、ご注意を。
たまに双眼鏡を持って森に入ると、
その素晴らしさを再認識するのですが、
高い双眼鏡はそこそこ重いので、
撮影機材の重さを考えると、便利は便利だけど、
つい持っていくのを躊躇してしまうんですよね……。
しかし、しかし、
五目ラーメンならぬ五目きのこ観察は、
とにかく、おすすめなのです、はい。