ぼくは、記憶力にあまり自信がなく、
カタカナの固有名詞を覚えるのが、すごく苦手です。
高校時代、日本史はけっこう得意だったのですが、
世界史がまったくダメで……。
出てくる人、出てくる地名が、みんなカタカナ(笑)。
洋楽のアーティスト名もなかなか覚えられず、
バンド全員の名前と担当楽器を言えるのは、
The Beatles と Led Zeppelin くらい(古いな!)。
最近では、それに、加齢の忘却が加わり、
同年代の友人と音楽の話をするときなんぞ、
悲惨極まります……。
きのこをはじめとする生物の名前も、
生物学的には主にカタカナを使用しますが、
そこは、日本語。
頭の中でカタカナを漢字に変換すれば、
海外の固有名詞に比べたら格段に記憶に残ります。
実は、何を隠そう、この、ニワトリ並みの記憶力が、
野外を歩くとき、素晴らしい力を発揮するんです!
コケや地衣類を見つけたときには、
名前なんぞは最初から覚える気がないので、
ルーペなどを使って姿や形のみを愛でるわけですが、
過去に確実に見ているであろうコケや地衣類でさえ、
まるで初めて見つけたときのように、
新鮮な驚きをもって観察できるんですよ(笑)!
同じ森に毎日通っても、何回通っても、
常に新鮮な気持ちで楽しめるって、お得でしょ?
そんなこんなで、森に入ると、
あれも面白い、これも興味深い、と、
なかなか前に進むことができないのですが、
それも一興です。
立ち枯れしているアカエゾマツの、
苔むした幹に、きのこ発見!
アクイロニオイタケです。
このきのこは、夏から秋に、
主に針葉樹の林地から発生します。
傘は半球形〜まんじゅう形、のち、ほぼ平らに開き、
しばしば中央部がやや盛り上がります。
表面は灰褐色〜ほとんど黒色で、粘液に覆われ、
湿っているときには放射状の条線が見られます。
ひだは白色〜淡灰色で、やや間隔が広がっています。
柄は傘よりも淡色で、粘液に覆われ、中空です。
食不適。
毒は無いようですが、食用には向きません。
つまり、お味があまりよろしくないのではないかと。
この写真を撮影したあとも、
コケや地衣類を観察するのに大忙し。
有名な科学者・レイチェル カーソンが言うところの、
「センス・オブ・ワンダー」
って、つまり、こういうことなのかな、と愚考して、
ちょっとだけ、いい気分になってます、はい。