正解!食べられません!
カタウロコタケ食不適

森=田舎=公共交通機関が不便、ということで、
どの森へ行くにしても、車が便利なんですよね。

しかし、森へと続く林道は、いやらしい(笑)。
細く狭い道は、舗装なんぞされているはずもなく、
アップとダウン、くねくねカーブを繰り返し、
路上には大きな石や落枝や水たまりが待ち構え、
両脇に生い茂る樹木や草や笹に気をとられると、
一転、深浅の谷が口を広げて待っているし、
クマやらシカからキツネやらが飛び出すし……。
慣れてないと、運転は、そりゃあ大変です。

ぼくは、北海道に住みはじめたときに、
スーパー林道マシンと呼ばれている(ウソです)、
スズキのジムニーシエラという車を買い、
以来17年にわたって2台のジムニーシエラを乗り継ぎ、
(走行距離は2台合わせて39万キロ!)
現在は、これまた、2台連続で、
スーパーアウトドアマシンと呼ばれている(笑)、
スバルのフォレスターに乗っています。
(4台とも絶滅危惧種のマニュアルシフトです!!)

この魅力をわかってくださる方は少ないのですが、
舗装されたワインディングロードを走るのも、
山間部や川沿いの狭い林道を走るのも、
マニュアルシフトの楽しいこと!
雪と氷の冬道を走るのもすんごく楽なんです!

と、いうことで、つい先週も、
ドライブがてら、八甲田山麓の名湯、蔦温泉へ。
何度も書きますが、新緑のブナの森は絶景です。
温泉にも浸からずに、沼を巡る遊歩道できのこ探し。

そこには、毎年会いに行っている、
大きな大きなブナの木があるのですが、
年々、樹勢が弱くなっている気がします。

そして、弱くなった木をよく見れば……。
ビンゴ!
われらがきのこもブナの腐食・分解に勤しんでいます。

太い幹の下側に見られる、
白くてウロコのように張り付いているきのこが、
今回の主役です。

その名も、カタウロコタケは、
ブナなどの倒木や地上に落下した太い枝の、
露出した木材部分に群生します。
多年生なので、通年見られます。

きのこは背着性で傘をつくらず、
径0.2〜1cm、厚さ1〜2mm、
多角形の小さな子実体が敷石のように並びます。
表面は灰褐色で、断面は、薄い層が重なったよう。
木材を白色孔状腐朽します。

食不適。

まあ、こんな見た目だし、硬いし、
そもそもきのこっぽさすらなく、
食べるにはまったく値しません。

年々、目に見えて、ブナが弱っていくのは、
まあ生命の定めなのでしょうが、
ちょっと辛い気もします。

でも、長い間生きたブナは、
倒木になっても長い間存在感を示すもの。
倒木好きとしては、すごく矛盾した気持ちですが、
楽しみでもあります……。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。