不正解、食べられません!
サンコタケ食不適

北海道へ渡る数日前に、ふと思い立って、
十二湖(青森県深浦町)へ行きました。

十二湖、という名前ながら、湖沼群の総数は33!
背後にある崩山の8合目に位置する大崩から眺めると、
12個の大きな池が見えたことから名付けられたとか。
新緑シーズンも、紅葉シーズンもオススメです。

名前は避けますが(笑)、
十二湖へ行くと必ず訪れている、
多くの人が気づかないような小さな池がありまして、
(幻想的な雰囲気がたまらない!)
今回も、踏み跡のような遊歩道を歩き、
そこを目指しました。

着いてびっくり。
この冬の雪が少なかったのか、
春になってからの雨が足りないのか、
池はいつもの3分の1くらいの大きさになってしまい、
湿地にできた水たまり、という感じでした。
秋に訪れるときはどうなっていることやら……。

五感をフル活動させて森を楽しみつつ、
倒木をなめるように観察しつつ歩いていると、
古い大きなブナの倒木の根本に、
何やらオレンジ色の物体を発見!

もしや、と思ったら、望外の喜び、
サンコタケとの久々のご対面でした。

サンコタケは梅雨時から秋にかけて、
竹林、林地、路傍などで発生します。

幼菌は卵形で白色長卵形、径1〜2cm。
基部に白色の根状菌糸束があります。

熟すと頂部が裂開し、
上部に3本の腕がにょきっと伸びます。
(腕の数は4〜6本の場合もあり!)
腕は黄〜橙黄色でアーチ形となって頂部で互いに接合。
腕の内側にグレバという紫褐色の粘液状物質が見られ、
この中に胞子が含まれています。

この、グレバの臭いこと!
腐肉臭に近いような感じなのですが、
ぼくが知るきのこの中でも、
トップクラスの臭さです(笑)!
ある図鑑にも「極度の悪臭を放つ」とあります。

まあ、この猛烈な臭いで虫を集め、
虫に胞子を拡散してもらうというわけですな。

柄部は、通常、腕よりも短くて中空です。

食不適。

ええい、食えるものなら食ってみろってんだ(笑)!

サンコタケは、比較的街に近いところに生える、
というイメージだったのですが原生林に近いような、
森のまんまん中で見られたのは僥倖でした。

さあ、今年も、阿寒湖できのこを撮るぞ!

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。