おしい!食べられるんです!
ハナビラダクリオキン食毒不明

7月前半の阿寒は、雨が少なく、森がからから。
つまり、きのこ的にはまだまだシーズン前。
慌てず、焦らず、じっくりと、撮影準備を整えます。

カメラやレンズなどの撮影機材に加えて、
くまさんや吸血昆虫対策もすごく重要なので、
それらを加味してカメラバッグの中身を決めます。

悩んでいるのは、
昨今出没が多発しているくまさん対策として、
撃退スプレーを2本持ちにするか、
さらに、ナタも持参するか。

くまさん撃退スプレーの成分は、
唐辛子の辛味であるカプサイシンで、
射程距離が10m、噴出時間が5秒程しかないので、
(くまさんを殺すのではなく人間の護身用)
風向きや遭遇した距離を勘案すると、
1本では心許ないかもしれない、と。

ナタは、撃退スプレーが効かず、
くまさんがこちらに突進してきた場合、
素手より刃物があった方が戦うのに心強い、と。
(死んだふりをするにはこの時点では遅い!)
最後の最後の手段としての所持です。

とりあえず、
クマ撃退スプレーは1本所持、
ナタは車の中に置いて、
盛岡で買った大きく素敵な音がする、
真鍮製の鈴(カウベル)を鳴らしながら、
雌阿寒岳山麓のアカエゾマツの森へ。

ああ、やっぱり、森はいいなあ……。
もう、景色も、香りも、何もかもが、最高です。

アカエゾマツの純林を堪能しながら歩いていると、
倒木に、オレンジ色の物体を発見!

そう、これが、きのこ!
ハナビラダクリオキンです。

初夏から秋にかけて、針葉樹の枯木から発生。
最初は脳みそ状でやがて浅く裂けて葉状の裂片に。
橙黄色で、径は1〜6cm。
あのキクラゲの仲間なので、見た目通り、
ゼラチン質で、ぷるるんとした触感です。

食毒不明。

今後の研究による解明を待ちましょう。
もし、無毒なら、オレンジ味をつけて食べたら、
デザートになるかも……。
いえ、なりませんから(笑)!

広葉樹の枯木から発生する、
コガネニカワタケにちょっぴり似ていますので、
同定をする場合は、基物の樹種にもご注意を。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。