ぼくが阿寒湖と関わりを持ったのは、
登山ガイドだった知人が、年齢を理由に、
登山ガイドを引退して阿寒湖にガイド会社をつくる、
と宣言し、ついては、出資して!と頼まれたから。
もう四半世紀も前のことです。
それまでは帯広に住んでいて、
マリモと温泉で有名な観光地、と思い込み、
実のところ、一度も訪れたことはなかったのでした。
ところが、行って、びっくり。
有名な観光地どころか、街をちょっと外れたら、
圧倒的な大自然、つまり、森が広がっているんです。
広大な森が広がっているから、水が豊富なんです。
阿寒湖周辺には大小の湖沼が点在しているほか、
森を縦横無尽に流れる小さな流れもたくさん。
ですから、阿寒湖の水道水のおいしいこと!
真夏でも、冷たいので、食器を洗うのも一苦労。
キッチンやトイレの水道管が、結露しちゃうんです。
水が冷た過ぎて。
今回ご紹介する写真を撮影したのは、
阿寒湖から流れ出す阿寒川の源流部で、
阿寒川に流れ込む支流沿いです。
糸井重里さんが、阿寒に2度目にいらしたときも、
「この風景が見たかった!」とおっしゃってた場所。
木々の葉の緑、木漏れ日、せせらぎ、蝉時雨……。
内地は暑さに喘いでいるというのに、
ここはまるで別天地です、はい。
大きなカツラの木の根本を覆ったコケの間から、
やや古くなりつつありますが、きのこがひょっこり。
そのきのこ、ミキイロウスタケは、
夏から秋にかけて、さまざまな林地で発生します。
傘は径2〜5cm、中央部は、どんどん窪み、
のちにロート形となって、柄の空洞とつながります。
表面は黄灰色、淡黄褐色〜煤色で、
縁は浅く避けて波打ちます。
下面にはしわ状のひだがあり、
枝分かれをして、隣同士が脈状に連絡します。
柄は高さ4〜8cm、淡黄色〜灰白色で、中空です。
食毒不明。
君子危うきに近寄らず、です。
ちなみに、私ごとですが、「きのこの話。」は、
今回で、なんと、なんと、連載700回を迎えます。
2011年3月1日から、一度も休まず、毎週菌曜日に、
(連載当初は火曜日掲載でした!)
コツコツと更新してきました。
トップページを彩る700本のきのこは圧巻です!
と、いうことで、
今後ともどうぞよろしくお願いします!
そして、いつも、ありがとうございます!