このところ、阿寒の森はカラカラ気味なのですが、
粘菌(変形菌)にとっては、好みの気象条件なのか、
きのこよりも頻繁に姿を見かける感じがします。
粘菌は、本州であれば、
梅雨明けの晴れ間に子実体に変身することが多く、
その頃に発生のピークを迎えるのですが、
ここ阿寒湖周辺では、初夏と秋の2回、
発生ピークがあると言われているんです。
ぼくだけなのかもしれませんが、
高さ数ミリの小さな粘菌を撮影をする場合、
ピントもライティングもすごくシビアなので、
気持ちも、機材も、入れ替えなければならず、
1枚撮影するだけでも相当時間がかかり、
一度粘菌の撮影を始めてしまったら、もう、
最低でも1時間くらいはかかってしまいます。
ですから、撮影に出かけるときは、あらかじめ、
今日のメイン撮影は粘菌、今日はきのこと、
おおまかに決めておくんです。
しかし、やはり、突発的に、
いいきのこやいい粘菌を見つけちゃうわけで(笑)。
まあ、それがあるから、人生は楽しいわけですな。
珍しい粘菌を見つけて撮影に没頭して、
頭も体も疲れてしまった、森の帰り道、
「きのこ眼」が発動!
バライロウラベニイロガワリを見つけました。
しかも、お隣には、ホコリタケ!
疲れた体に鞭を打ち腹這いになってカメラを構えます。
パシャリ、絞りを変えて、パシャリ。
パシャリ、構図を縦にして、パシャリ……。
バライロウラベニイロガワリは、
夏から秋にかけて針葉樹林の地面から発生します。
傘は、径10〜20cm、半球形のちまんじゅう形です。
表面は類白色のち赤色で、褐色かつ微細な鱗片が付着。
傘の裏側は帯緑黄色の管孔で、孔口は真っ赤です。
柄は、帯黄色の地に赤く細やかな網目模様を形成。
ただし、網目は、下へ行くほど、不明瞭になります。
全体的に強い青変性があり、
触るとすぐ変色してしまいます。
毒。
『日本の毒きのこ』という図鑑には、
半分食べたら、死にかけて三途の川を見た、
という方の記事が掲載されているのですが、
誤食後約3時間で嘔吐やひどい下痢を伴った、
胃腸系の中毒症状が出たのだとか。
ご用心、ご用心。
赤色系のイグチには食べられるものもありますが、
完全に同定できない場合は、見るだけにしましょう!
ちなみに、写真の右隣に写っている、
ホコリタケは、幼菌時であれば、食べられます。
こちらをご参照あれ。