糸井 |
さて、時間も過ぎたみたいなんで
あからさまにまとめますけれども。 |
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たけし |
ハハハハ。 |
糸井 |
最後にもう一度、
『アキレスと亀』っていう映画ですけど、
ぼくはね、おもしろい、つまんないって
簡単に片づけるまえのところで、
何回も自分で考える機会が
ある映画だと思ってるんですね。
だから、その意味では、
「お得な映画だよ」って言いたいです。 |
たけし |
ああ、ウン。 |
糸井 |
たとえば、ドストエフスキーを読んだらね、
「あー、おもしろかった!」って
すぐに結論が出て終わりになるんじゃなくて、
歳とってから思い出したり、
時間が経ってから意味がわかってきたり
するじゃないですか。
教訓になったり、トラウマになったりね。
そういうふうに、何度も思い出せるタイプの
映画なんじゃないかなって思うんです。 |
たけし |
ウン。けっこう、
考えていろんな方向に振ってあるからね。
ひとつのラインじゃなくて、
つねに、裏があったり、反対側があったり。 |
糸井 |
ああ、そうですね。 |
たけし |
まっすぐだったり、反対だったり、
ねじくれてるからね。
なかなか、「これだよ」っていうのは
言いづらい映画なんですよ。
結論が、あるところに落ち着いたとしても、
そこまでの道のりが、
こっちのコースか、あっちのコースか、
それによってぜんぜん違っちゃってるんで。 |
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糸井 |
うん。その意味では、あんまり一気に
ほめられちゃってもかなわないですね。 |
たけし |
ウン。だからね、宣伝の人はね、
「お願いしますよ、夫婦愛でやってくださいよ」
って、そこだけでほめられようとしてるんだけど。 |
糸井 |
ああ(笑)。 |
たけし |
オレ、言われれば言われるほど、
どうしても、違うこと言いたくなっちゃうんだ。
だから、夫婦愛、夫婦愛って言われると、
「もっと残酷だよ」って言っちゃうんだよ。 |
糸井 |
じゃ、最後にぼくが「夫婦愛」って言って
終わりにすればいいんじゃないですかね。 |
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たけし |
ハハハハハ。 |
糸井 |
あ、じゃあ、ふたりで言いましょうか。 |
たけし
糸井 |
「夫婦愛」! |
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一同 |
(笑) |
糸井 |
これで、宣伝の人もホッとしたことでしょう。 |
たけし |
台湾女優、フー・フアイ。 |
糸井 |
ということで、お時間です。 |
たけし |
ありがとうございました。
夫婦愛! |
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糸井 |
夫婦愛! |
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たけし |
台湾女優、フー・フアイ。 |
糸井 |
じゃあ、また、会いましょう。
ありがとうございました。
あ、そうそう、このたびは
かみさんがお世話になりまして、どうも‥‥。 |
たけし |
あ、どうも‥‥。 |
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一同 |
(笑) |
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(おわりだ、コノヤロー) |