COOK
ダイニング部に
集合してくださーい!

福島県泉田川では今、
鮭の遡上が一斉に盛り上がっているんだそうです。
もう、そんな季節ですかぁ。
寒くなってきましたもんね。
で、その採れたての『生鮭』が鼠穴に届きました。
お腹にたまご入りで丸々と太った
体長70センチの鮭ですよ。
猫より大きいんだから、こうなると魚ってよりは動物ですね。
こんなに大きな魚さばいたことないんですけどね、
「食いたいな」って話になったからには
やるしかない。
生鮭は焼いても、揚げても、煮ても、
オールマイティーにおいしいけど、今回はムニエル。
でもね、とりあえずこんな巨大な魚なら
さばく前に、このままの形で楽しみたいでしょ。
わたし「4・1・2・6(ヨイフロ)『ハトヤ』」のCMで

最後にこどもが生きてる魚を抱えてアワアワしてるアレ、
一度やってみたかったんですよね。
あの、CMの魚よりはるかに大きい鮭を
両手でしっかり抱えて、窓ガラスに写ってる自分の姿見て
う〜ん、満足しました。

サケ

銀色のウロコに真っ赤な鰓。
鮮度最高。
それから顔つきはね、ほんとキリッと勇ましい。
それもそのはず、鮭は子ども(たまご?)を
生むため、川の流れに逆らって
傷だらけになりながら泳いで行くんですからねぇ。
これは、母の顔だ。かあさん・・・
なんかじ〜んときたよ。
でも食べちゃうんだよね。

まな板の上に新聞紙を敷いて
その上にドスンと鮭を横たわらせました。
新聞紙を敷くのは、掻き出した腹わたを、
そのまま包んで捨てられるから。
まな板が汚れるのも防げます。
まずは、皮のぬめりを取るためにお塩でこすります。
本来、頭から落としていくものだけど
今回は、お腹にたまごが入ってるんで
それを傷つけないように
そっと、お腹から開いていきました。
おお〜、卵膜にこどもたちがぎっしりと、いるいる。
この、卵膜にたまごが入ったままのものが「筋子」。
卵膜から取り出したたまごが「イクラ」です。
あとは、内臓を取り出して手早く水洗いし、
しっかり水気をふき取ります。

食べる!

さあ、あとは大胆にやるだけ。
なんだけど、たまたま、
この日鼠穴は停電しちゃってね、
薄暗いなかで、巨大な鮭をおろしたわけです。
しかも、これまたダイニングにはわたしひとり。
新品の出刃包丁で頭をドーンっと落としたり
内臓掻き出したりしてたら
なんだか、悪いコトしてるような気がしてねぇ。

大きな魚はね、
小さな魚に比べて失敗がないんだ。
骨の方にいっぱい身が
くっついちゃっても
食べるところがなくなるなんてことはあり得ないもん。
それに、もちろんその骨だって捨てるようなことはしませんよ。
鮭は、内臓以外に捨てるところなんてないんです。

鼠穴スタッフは二日間にわたって
鮭を堪能させていただきました。
初日の夕ごはんは、鮭のムニエル、。
次の日の昼ごはんは鮭イクラごはん。
はぁ〜贅沢ですわ。

『鮭のおろし方』
1、皮のぬめりをとるために、塩をぬってこする。
2、鮭を水洗いして、腹を尾のほうから裂く。
3、内臓を取り出し、たまごを卵膜に入ったまま
  丁寧に取り出す。
4、頭を押さえて胸びれを持ち上げ、
  その下から包丁をまっすぐに下ろして頭を切り落とす。
5、背骨に沿っている血液を指で軽くしごいて取り
  お腹の中をよく水洗いし、水気をしっかりふき取る。
  あとは料理に合わせて適当な大きさに切る。

新鮮な魚の内臓は、ほんと形がしっかりしていて
コロンと取り出せます。

『イクラのしょうゆ漬け』

いくら

たまごは、しっかり卵膜にくっ付いていて、
そのまま取りだそうとしてもダメです。

1、1カップ程度の塩をまぶして、
  40〜60度のお湯で
  卵膜をほぐしてバラバラにする。
2、さらにお湯で数回洗って
  ぬめりを取って、ザルにあげる。
3、おしょうゆと日本酒を合わせた漬け汁を作って
  イクラを1晩以上漬ける。
これは、冷蔵庫に入れておけば何日ももちますが、
やっぱり、早めのほうがおいしいです。

『鮭のムニエル』
鮭そのままのおいしさが味わえるムニエル。
それに、パセリをたくさん入れた
ガーリックバターソースをかけて。
パセリのグリーンと、バターの黄色がすごくきれいなソース。
白い大きなお皿の真ん中にムニエルのせて、
このソースをかけると、ちょっとオシャレな感じ。

1、鮭の両面に塩・こしょうをふって
  全体に小麦粉を薄くはたきつける。
2、フライパンにサラダ油を入れて、中火で熱する。
  鮭を入れて、ふた(なければアルミホイルを代用)をして
  両面をこんがりと焼き皿に盛る。
3、ソースを作る。
  フライパンに多めにバターを入れて溶かし、
  にんにくを入れて香りが立ってきたら、
  白ワインを回し入れてひと煮立ちさせて
  おしょうゆを加え、火を止める。
4、みじん切りにしたパセリをたくさん入れたものを、
  鮭にかける。

フライパンの中のサケ

表面はカリッとして中はやわらかくジューシーで
ほんとおいしかったぁ。
素材が新鮮なんだから当然なんだけどね。
やっぱりバターとおしょうゆのコンビは
永久に不滅のおいしいさだな。
ここに、にんにくの香りが加われば、無敵ですよ。
むちゃくちゃ簡単なソースですから、ぜひお試しください。
ひとつ注意することは、
鮭を焼いたフライパンでソースを作らないこと。
鮭から出た臭みがソースに付いてしまって
台無しになっちゃますから。
面倒でも、別のフライパンか、
一度洗ったフライパンを使って下さい。

『鮭アラのお味噌汁』
骨のまわりにくっ付いてる身こそ、おいしいところ。
今回はこれで、お味噌汁をつくりました。
お水で頭も尾も骨も全部煮て、そこにお味噌を溶いただけ。
アラからいいおだしが出ます。
骨に付いた身も、しゃぶって食べました。

いくら御飯。

『鮭イクラご飯』
料理なんていえないね。
混ぜるだけだから。

1、切り身にした鮭に塩をまぶして、
  しばらく置いて焼き上げる。
2、焼きあがった鮭は骨を取り除き、手でざっとほぐす。
3、ごはんに鮭を入れてざっくり混ぜ合わせる。
4、しょうゆ漬けのイクラと、白ゴマ、きざみのり、
  みつばを散らして。

ほんのりおしょうゆとお酒の香りがするイクラ。
プチッと噛むと中からとろ〜っと。
それから白ゴマの香ばしさと、海苔の磯の香り、
みつばのさわやかな香り。

あ〜、生きててよかった。
このひとことに尽きます。

1998-11-22-SUN

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