My恋歌ポイント
どんな〜運命が〜
愛を〜遠ざけたの〜
輝きはもどらない
私が今死んでも〜
28年前、20歳にやっとなったばかりのころ
勉強にかこつけて、
実は好きだった人を追いかけて
ジュネーブに行ってました。
彼は画廊の仕事をしていました。
15歳くらい年上で
バツいちだったと思います。
携帯もPCもない時代、
日本への電話も1分数百円した頃、
彼がいない部屋で(ほとんどいないのですが)
ぽつんとひとり、
ユーミンばかり聞いていました。
多分そのときはこの
『翳りゆく部屋』は知らなくて、
あとで日本に帰ってきて
何かの拍子にこの歌をきいて
涙がとめどもなく流れて
体の水分がなくなっちゃうくらい
悲しかった気持ちを覚えています。
歌い出しが、
「窓辺に置いた椅子にもたれ
あなたは夕陽見てた」
なのですが
彼は本当に同じようなポーズで
疲れた顔をして私の部屋で座っていました。
ずっと年下の女の子との結婚を
考えてくれていたのか、
別れをどうやって切りだそうと思っていたのか、
今となってはわかりません。
ただ「今度会うときにね」という言葉を残して、
日本に帰って、事故で亡くなりました。
私と付き合っていたことを
誰も知らなかったせいで、
私に知らせはありませんでした。
私はぷっつり連絡のとれなくなった彼を、
あきらめていました。
日本に帰って画廊近くのバーを
訪ねて初めて知りました。
『翳りゆく部屋』は、
ちょっと黄ばんだ写真の一ページになって
ずっと心の中に残っています。 |