ほんとだよ、電話の権利。
学生時代バイトを重ねて手に入れたのに。
ともあれ、そうやって
必死にバイトをしてまで
手に入れたいアイテム、
それが「自分の電話」でした。
はじめて所有できたのは
たしか大学3年のときでしたよ。
さあ、これでやっとあの娘とお話が‥‥
と思ったら大まちがい。
「親の壁」
思えばたいへんな壁でした。
よみがえる、あの緊張感!
電話をかけるまでの、葛藤!
ふるえる指でダイヤルを、回す!
たのむ、出てくれ、本人!
「も、もしもし‥‥
○○子さんをお願いします。
え? いや、あの、友だちです‥‥」
くちずさみ世代は、
電話で異性と話すだけでも一苦労。
それだけに、つながったときはうれしくて
つい長電話になったものです。
痛くなりましたよ、耳。 |