いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

『はみだしっ子』を
人生のバイブルのように思ってた。
(投稿者・銀の海)

『かもめはかもめ』
 歌/
 研ナオコ
 
1978年(昭和53年)

My恋歌ポイント

 かもめはかもめ
 ひとりで海をゆくのがお似合い

当時私は小学校高学年か中学生。
人との距離のとり方がよくわからない
不器用な子で、
「ここは譲れない」という一線を
頑固に通そうとする気難し屋。
女子の輪にもうまく入れず、
思いを寄せる男子にも当然相手にされず、
人の間で生きることの
しんどさばかりを感じていました。
子どもなりの人間関係に疲れて、
周りと群れないことをひそかに決め、
大人の穏やかで平和そうな関係をうらやみ、
早く大人になりたい、と願っていたあの頃。
三原順の『はみだしっ子』を
人生のバイブルのように思い、
ずっと、ひとりで生きていくんだと
思っていました。

そんな私も、年を経て、
そのままを受け止めてくれる
夫とめぐり会い、
いまでは3人の子持ちです。
穏やかそうに見えた大人同士のつきあいは、
水面下でそれなりに
いろいろあることもわかりましたが、
それを受け流せるだけの鷹揚さも
いつの間にか身につきました。

群れの中にいる生きづらさは、
いまもやっぱりあるけれど、
あの頃を思えば、随分ましになりました。
しんどい子ども時代を送るあの頃の私に、
そしていまの誰かさんに、
大人になるのってきっと悪くないよ、と
伝えてあげたいです。

なんだか全然「恋歌」らしく
なくなっちゃいました。

前回の『春なのに』に続き、
中島みゆき作品連投です!
『かもめはかもめ』
私も大好きな歌。

子ども時代の人間関係‥‥。
思い返せば、あれはたいへんでした。
子どもだからこその残酷さもありますから。
ぼくは転校が多かったので、
新しい環境にいくたびごとに
孤独を覚悟していましたっけ。

ちなみにぼくも転校生。
中学校に入るまで、渡り鳥よろしく
各地を転々としました。
最大の障害は方言の違いで‥‥って、
「恋歌」からどんどん離れてる!

でも、この投稿は、「恋」のことを
ちっとも書いてないのに
全体に「恋歌」っぽいですよね。

なぜかと考えたのですが、
「恋歌」って「恋愛小説」と違って
恋に落ちたり、ふられたりっていう
「場面の描写」って
別に要らないんですよね。

「ずっと、
 ひとりで生きていくんだと
 思っていました。
 そんな私も、年を経て、
 そのままを受け止めてくれる
 夫とめぐり会い」

ここだけで十分にくちずさめそう。

おお、中島みゆき作品二連投!
「かもめはかもめ」は1978年、
てことは研ナオコさんもみゆきさんも
25、26歳くらいのときの作品なんですよ。
すごくない?
その年齢でこの歌を、
つくるのも、うたうのも!!
ああ、中島みゆきカラオケ行きたい。

転校の経験はないけれど
ぼくにとって小中高時代も
それなりに、たいへんさを感じてましたよ。

「早く大人になりたい、と願っていたあの頃。」

わかる、わかるよ!(銀の海)さん!

なになに、
みんな小さいとき大変だったの?
意外。私もですよ。
幼稚園ぜんぜん行かなかったんだもの。
毎日空見上げてなんだかつらかった。

『かもめはかもめ』
何度もくちずさんできましたけど、
いちばん勉強になったのは
「素直な女」になるのが
いちばんむずかしいと
言ってるところでした。

きれいな女じゃなくて
素直な女なの!?
でもいまじゃとてもよくわかる。

お、はからずも、
「子どものときそれなりに大変だった」
4人による集まりだったわけですね、
くちずさみ委員会は。

そのわりには、みんな、まあ、
なんというか、
そこそこたのしい大人になっているようで、
よかったです。

(銀の海)さんも、
投稿メールの後半が
ぱああっと明るいのが、いいー。
そう、
「なかなか悪くないよ」
って言える今って、悪くないですよねー。

とにもかくにも40代って、
「背伸び」とか「ええかっこしい」が
いったん、終わるんですよね。
(そんなことない?)
いや、完全にはなくならないけれど。

だって、30代のころは、
「中学生のころ好きだった恋歌」を
こんなにあっけらかーんとは
言えなかったんじゃないか
という気がする。

小中学校のころ、
ぼんやりと想像していた
「大人」というのは、
具体的には40代のこと
だったのかもしれない。

ああ、そうかも。
私も最近大人になれた気が、
すごくしますから。

そのとたん、
近くのものにピントが合わなくなったり
捻挫の治りが遅くなったり
してるんですけどね。
でも、そういう気分が
まわりや過去を見る余裕を
生むのかもしれないです。

「へえ、研ナオコか。
 中島みゆきかぁ‥‥」
と、ちょっと興味が出たそこのあなた。
このアルバムが、おすすめです。

研ナオコ 中島みゆきを唄う

1. 時代
2. しあわせ芝居
3. わかれうた
4. 追いかけてヨコハマ
5. アザミ嬢のララバイ
6. この空を飛べたら
7. かもめはかもめ
8. LALALA
9. 窓ガラス
10. あばよ
11. 雨が空を捨てる日は
12. 強がりはよせよ
13. 時代(オリジナル・カラオケ)
14. かもめはかもめ(オリジナル・カラオケ)

ですよ!
カラオケつき!

ほぼ全曲、くちずさめますが?

つるつるつるつる出てくるよ、歌詞が!

ああ、口ずさんだだけで泣きそうです。
すごいなあ、歌って。
泣く前におわろう!

うゔゔゔゔ‥‥‥うっく、
ずびずびずびーぃ。
あ、ありがと、ハンカチ。チーン。

2011-06-21-TUE
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