いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

男子中学生だった自分のなかで
響き続けた歌詞。
(投稿者・”44”)

『君が僕を知ってる』
 歌/
 RCサクセション
 
1980年(昭和55年)
 シングル
 『雨あがりの夜空に』
 B面収録曲
 

My恋歌ポイント

 今までして来た悪い事だけで
 僕が明日有名になっても
 どうって事ないぜ まるで気にしない
 君が僕を知ってる

自分が中学生になったのは1979年。
この曲は中学2年生くらいだったかな。
当時の中学生の感覚では、
RCの歌詞は新鮮だった。
ついこの前まで
ザ・ベストテンの曲をよろこんで
聴いていたんだから。

そのとき自分には
好きだった子がいたけど、
つき合いたいとか
そんな気持ちはぜんぜんなかった。
男子中学生なんて、そんなものだろう。

この曲の「君」と、
自分が好きだった子を
重ね合わせたような記憶もない。
でもこの曲の、
「今までしてきた悪い事だけで」
からはじまる歌い出しの部分が好きで
よく歌っていた。
せつなくて、かっこよかった。

ラブソングの歌詞と、
自分の恋愛体験が重なるようになるのは、
二十歳を過ぎてからだった。
でも、そういう歌詞を
好きになってよく歌ったかというと、
そうでもない。

男子中学生だった自分のなかで、
響き続けたRCの歌詞。

いまでもRCのなかで、
自分がいちばん好きな曲。

わたくし「トランジスタ・ラジオ」を皮切りに、
小学生のときからずっと
RCファンでございました。
なかでもやっぱり、
この曲がいちばん好きです。

そうです、歌い出しの部分。
君が僕を知ってる、
それだけでいいという確信。
それをくちずさみつづける男子。
すてきです!
「僕を知ってる人のために生きる」
って、すてきです!

ぼくにとって、だけなのか、
みんなもそうなのか、わからないけれど、
この歌、ちょっとふしぎなんです。

想い出の歌の「君」って、
その想い出の「君」でしょう。
当時の。
ところがこの歌は
現在進行形で「君」。

もうずいぶんながいこと
この歌を聴き、
口ずさんできたけれど、
いつ聞いても、
そのときの「君」が、
この歌の「君」なんだよー。
歌が人生に寄り添ってくれてるみたいで、
だから僕にとってこの歌は
ちょっととくべつな歌なんです。

清志郎さんの歌、
生きてるんだなぁ。

高校時代、
もう、自分でもどうにもならないくらい
大ファンだったRCサクセション。
上京して初めて行った野音でのライブは
ほんとーーに、すごかった。
いまだに、
それを超えるライブ体験をしていません。

そんなRCの、これまたとくに、
とくべつな一曲。
これからも繰り返し聞くだろう曲。

♪コーヒーを僕に入れておくれよ

この歌詞に憧れ、
びりびりとしびれた感覚は、
ずっと体内に残ってあります。

だから、なんだかすみません、これはもう、
客観的に語れないくらい
ただただ、好きな曲になってしまっています。
「恋歌」というよりも、
ぼくはもう、もう‥‥
この曲に、恋をしてるのかもしれない。
だからその意味では(”44”)さんの、

 この曲の「君」と、
 自分が好きだった子を
 重ね合わせたような記憶もない。

というのと似た感覚なのだと思います。

そう‥‥
ただひたすら、
「せつなくて、かっこよかった」んです。

ぼくは逆に、十代のころは
RCサクセションのよさが
よくわからなかったタイプなんです。

二十歳を過ぎてからしみじみと
ここにすごいものがあるぞ、と
気づいたんですよね。
(最初にがつんときたのは
 『スローバラード』でした)

思えば、十代のころから好きだったものより
二十歳を過ぎてよさに気づいたもののほうが
よっぽど多いです。

きれいな前奏で
雰囲気のいい曲だったので
幼いながらもくちずさんでいましたが、
永田さんの言うとおり、
この歌詞のすごさをわかりはじめたのは
私も、大人になってからだと思います。

(”44”)さん、好きな子を「君」に
重ね合わせたりしなかったんですね。
だけど、この歌の「僕」は
たくさんいる気がします。

とても孤独な、
つらさに耐えてる人がいる。
この歌の「君」みたいに
いいことを思いついたりはできませんが、
「君が僕を知ってる」と
思ってくれるだけで
救われるならいいですよね。

逆に、男子はわりと
「ひとつも察していない」
というところで
救ってくれることが多い気がします。
違うかな???

「君」が現在進行中だったり、
歌に恋をさせたり、
男子中学生のなかで響き続けたり。
ほんと、ラブソングとして最高の
いい歌ですね〜。

いい歌ですね〜。

ね。

2011-08-03-WED
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