いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

彼のために私が用意した便せんは
ここのイラストと同じチッチとサリー。
(投稿者・みちよ)

『22才の別れ』
 歌/風

 1975年(昭和50年)
 

My恋歌ポイント

 あなたに「さようなら」って言えるのは
 きょうだけ

私が中学1年生の時「3年生を送る会」という催し物で
3年生の有志が体育館の舞台でこの歌を歌いました。
その当時、私は卒業を控えた生徒会長に憧れていて
校内で会えば挨拶がするぐらいまで
親しくなることが出来ていました。
卒業時期が段々と近くなり、
もう会うことが出来ないと思っていた時にこの曲を聴き
「さよなら」の言葉が
自分と重なったことを想い出します。

彼が卒業後、きっかけがあり文通することとなり
ある日の手紙に「図書館で会おう」と
日時が書かれていました。
でも好きな人と2人っきりで話したことなど
まだ無かった私は何を話していいのか判らず、
どうしても行く勇気が出ませんでした。
約束の2時間後ぐらいにこっそりと図書館に行き
彼がいないことに落胆した事と
安堵したあの時の気持ち。

この後、彼からの手紙は途絶えました。
彼のために私が用意した便せんは
ここのイラストと同じチッチとサリー。

この曲を聴く度に当時の自分の幼さや純情さを思い出し
くすぐったい様な、切ない様な。
ちょっと苦笑いをしてしまいます。

先週につづいての
卒業式にまつわる思い出の歌です。

「風」っていうのは、
伊勢正三さんが「かぐや姫」のあとに
つくったデュオなんですよね。
ちなみに伊勢さんというのは
「なごり雪」をつくった人でもあります。
「かぐや姫」は、ほかに、
南こうせつさんと、山田パンダさん。

「22才の別れ」は、
17才から5年間つきあった男性に
女性のほうから別れを切り出す歌で、
しかも主人公は
「あなたの知らないところへ
 嫁いでいく」んです。
てことはこれ、「なごり雪」を
女性側から見た世界?
‥‥なんていうふうにも、
とれなくもない、せつない歌です。

22才って、一般的には卒業の年だし、
てことはモラトリアムの
終わりの象徴の年齢だなあ。
モラトリアムって言葉も
もう古くさいかしらん。
谷村新司さんにも
「22歳になれば少しづつ
 憶病者になるわ
 何故かわかる? 貴方」
って歌があるなあ。
全曲は歌えないけど、
そこだけ、口ずさめる。
「22才の別れ」もそうで、
歌い出しの

♪あなたに
 「さようなら」って言えるのは
 きょうだけ♪

のところ、
すらすら出てきます。
投稿内容にもどっていうと、
図書館ではじめての待ち合わせ、
そして、会えず‥‥という切ない内容。

何時まで待ったんでしょうねぇ、彼は。
自分なら何時まで待つかなぁ。

もう、あれですね、
前にも出ましたけど、
携帯電話があるだけで
このエピソードは成り立ちませんね。

いまの時代、
待つこともすっぽかすことも
できないとしたら、
「こころからくちずさめる歌」が
少なくなってしまうのも
無理のないことなのかもしれません。

もちろん、
いまの時代にはいまの時代の
「くちずさめる歌」が
あるのだとは思いますが、
ここに登場するような歌とは
きっと微妙に違うだろうなあ、と。
そうですよね。
自分たちの世代がえらいわけじゃもちろんないけど、
携帯電話のないあの状況だからこその
ときめきや落胆のドラマっていうのは
たしかにあったと思います。
今は、なんて言うんでしょう、
ドラマはもちろんあるに決まってるんだけど、
「早い」のだと思います。
伝わる速度も、結果がわかるまでの過程も。
電子メールいっぽんで、物語がどんどん進む。
胸を焦がしてる暇もないような‥‥
そんなふうに「現代の恋」を思っているのは、
おじさんの偏見なのかもしれませんが。

投稿の中の「文通」ということばに、
あまずっぱさを感じます。

私事ですが、自分がいま、
文章を書くような仕事をなんとかできているのは、
中学、高校時代の文通のおかげだと思っています。
一所懸命書いて、送って、返事を待って‥‥。
「遅い」んですよ。
でも、その遅さがたまらなかったなぁー。
生徒会長で、
当時の2歳年上で。
苦笑い、してしまいますね。
図書館で会おう、って
すごい勇気を出してくれたのに
なんか、行けなかったんですよね。

それでもって、
ちょっと話は飛びますが、
このジャケット写真の「風」のおふたり。
少女マンガにも
このような髪型のセンパイが乱発されていました。
そして、このジャケットのように、リアル界でも
いわゆる「大学生のお兄さんたち」が
この髪型で実在していました。
いまはもうあまり見かけなくなって
なんだかさびしい。
こういうセンパイと、携帯電話もなく
すれちがいたい気持ちでいっぱいです。
そんな乙女心を抱えつつ
また来週、水曜に。
あ、来週水曜は私が曲を選ぶ担当だ。
じゃ、また、英語のにしようかな‥‥!

2011-10-15-SAT

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