いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

ウォークマンのイヤホンを
一つずつ。
(投稿者・純)

『ANNIVERSARY
 〜無限にCALLING YOU』
 歌/松任谷由実

 1989年(昭和64年)
 

My恋歌ポイント

 明日を信じてる あなたと歩いてる
 ありふれた朝でも 私には記念日

高校3年生の時に
付き合っていた同級生の彼と、
ウォークマンのイヤホンを
一つずつ耳にはめて
学校帰りに聞いていました。
その彼とは大学1年の時に
別れてしまったので
つきあっていたのは半年くらいでした。

彼とは高校の部活の仲間だったし、
別々の大学には行ったものの
研究分野が同じだったこともあって
別れてからも学会などで会っては
普通に話をする間柄でした。

その彼は今年の4月に
大腸がんで亡くなってしまいました。

去年の12月に彼から病気であること、
病状は深刻だということは
聞いていたのですが、
まさか、こんなに早く
亡くなるなんてという驚きと、
同級生ががんで亡くなったという事実が
なかなか受け入れられなくて、
しばらくは彼の事で頭がいっぱいでした。

そんな中で、この曲を聴きながら
彼と過ごした日々を
いろいろ思い出しました。

イヤホンをひとつずつ耳にはめて、
同じ曲を聴きながら学校から帰る。

ああ、なんて素敵な。
まさに、恋歌。

そんなふうに感じながら読んでましたが、
悲しい展開でした。

べつに、そんなに厳密に
定義してるわけじゃないですが、
口ずさみ世代を仮に40代とすると、
昔、つき合っていた人が、
先に逝ってしまっていても
おかしくはないんですよね。

ぼくも、いえ、
つき合っていた人ではいませんが、
友だちとか、同級生とかになると、います。

その人の年はそこで止まってしまうから、
自分との年齢がどんどん開いてしまって
ちょっと不思議なんですよね。

さぁ、今回は、みんな、
コメントが書きづらいかな?
できれば、カラッといきましょう。
投稿者の方もそんなふうに
あえて書いてくださっているし。

ね。
カラッといきましょう。
と思ったけど‥‥やっぱり‥‥。

永田さんが最初に書いたことと
どうしても同じようなことを考えてしまいます。
ぼくにもやっぱり、たいせつな人が、
そうなってしまった経験があります。
この年代、多かれ少なかれ、ありますよね。

個人的には、
「ときどき思い出すこと」を
忘れないようにしています。
それはそんなに悲しいことではありません。
どちらかというと明るくたのしいひとり遊びです。
やさしいきもちになれます。

‥‥わあ、ごめんなさい!
ぜんぜんカラッとしなかった!
次の人お願い、カラッとさせてー。

えぇえぇぇ、私ですか‥‥?
そうですね、カラッと
いきましょうか。

うん、います、
もう会えなくなってる人。
その人たちはほんとうに若いまんま、
ずーっといっしょにいます。

私はこれまで、
旦那さんに先立たれた奥さまがたに
取材を通じて
お会いすることが何度かありました。

もう、ご本人も亡くなったのですが、
芸術家・岡本太郎さんのパートナーの
岡本敏子さんがそのひとりでした。

敏子さんは、太郎さんがいなくなったとは
思ってなくて、
いつでも太郎さんが「いる」と
ごく自然に思って暮らしていました。
「だって、いるんだもの、いっしょに。
 わかるでしょ?」
とたびたび言われていました。

そう思って生きていくことが
ずいぶんその女性たちを輝かせているな、
と感じたことがあります。

自分もだんだん年をとって、
40の山を越えて、
そのことがすこしずつ腑に落ちるように
なってきました。

それが歌につながっていくことも
とても自然なことだと思います。

カラッと‥‥してないわ!!
敏子さんはカラッとしてたのに、
自分はまだまだだわ!!

ということで、最後の方!
たのんます。

ありゃ、みんな夜中に、
せつせつと、書いたね‥‥

2008年の夏になくした友人のことを
ぼくはよく思い出します。
年をとらない、とも言えるけど、
いっしょに年をとっている、
というような気持ちもあって、
「あいつはいまごろどこにいるんだろうな」
なんて、
ただ、会えずにいるだけ、
と思うようにも、なりました。
「やっぱり、いないんだ」と泣く日々のあとに
そんなふうな思いが、やってきました。
おーい、元気にやってる? みたいなね。
また会ったら、さっきまで会ってたかのように
また喋り出すんだろうなあ、なんて。

いっしょに食べたものや見たもの、
話したこと、笑ったこと、そして聞いた音楽、
ふと、ひとりで想い出します。
(純)さんにとってそれが
ユーミンの「ANNIVERSARY」なんですね。
僕の場合はそんなヒットソングじゃないけど、
やっぱり思い出す音楽があります。
それはたぶん他人にはわからない、
じぶんだけの宝物です。

ああ、しんみりしちゃったねやっぱり。
次回は水曜日!

2011-10-19-WED

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