いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

大嫌いだったけど
恋に落ちました。
(投稿者・とんぼ)

『しゃぼん玉』
 歌/長渕剛

 1991年(平成3年)

My恋歌ポイント

 つまらぬこだわりは身を縮めるだけだった
 ほんの一瞬でもお前を愛せてよかった

中学のとき。
嫌がらせばかりしてきた同級生。
あるときに「ごめんな」と、
照れたように言ってきたから
ほんとは素直な人ということがわかり、
大嫌いだったけど恋に落ちました。

進級でクラスは別々になったけれど
私は思い続けた。告白は振られた。
でもやっぱり嫌いになれなくて。
彼のクラスに頻繁に遊びに行ったり、
彼の友達と仲良くなってみたり。
ライバルがいることがわかってヒヤヒヤしてみたり。

一発逆転は卒業式。
アイラブユーと書いた手紙と
第2ボタンをもらいました。
私は号泣! 涙と笑いが止まらなかった。
初恋が実ったけど、高校は別々。
デートは一回、映画を見に行っただけでした。

高校三年になり、再会。
家に遊びに行ったり、
赤点ギリギリの彼に勉強を教えたり、
バイクの後ろに乗って一緒に夜景を見たり。
夜の学校に行ってカンジュース飲んで話したり。
一緒にいるだけでうれしくて、
告白なんかできないって思ってた。
このままでいいって、思ってた。

つきあうまではいかなかったけれど、
恋人みたいな時間を一緒に過ごした。

私は東京に進学、
彼は地元に就職が決まりました。
そんなときに俺の気持ちだからと渡されたのが、
長渕剛のしゃぼん玉。

俺の気持ちって何???
私はしゃぼん玉ってこと?
はじけて東京に飛んでいくってことなの?
歌詞の意味もわからずに
ちんぷんかんぷんでした。

それから10年後。
その同級生は結婚して
一児のパパになるとのこと!
少しの寂しさと共に
あの頃の音楽と思い出が甦りました。
言葉にすることはなかったけど、
ちゃんと私を好きでいてくれたんだと、
いまさらだけどわかりました。

意外ですが
恋歌くちずさみ委員会登場曲のなかで
長渕さんが「新しい歌」記録更新です。
平成3年なんですね、この歌。
たしかドラマの主題歌だったと思います。

「ザベストテン」の記憶によると
長渕さんといえば「順子」で、
ノックしないで、の3連発にびっくりしたなぁ。
だって、男の人が泣きそうな声で
「ノックしないで」って言うんですからね。

毎年「長渕剛ファンの会 LISENCE」という
集いに参加している
「ほぼ日」のによると、
長渕さんの曲のなかでも、特に
ラブソングに名作が多いそうです。
それは「気合いが入っているからだろう」と
おっしゃっていました。

改めて聴き直したい、とに言いますと、
いつも寡黙な奥野さんが
メールを連投してくださり、
・何の矛盾もない
・THANK YOU WOMAN
・交差点
・二人歩記
の4曲を薦めてくださいました‥‥さておき。
嫌がらせばかりの彼が、卒業式に「アイラブユー」。
長渕さんのお姿と重なります。

この、すごく仲のいい場合の、
「このままでいいや」問題については
不肖私も頭を悩ませてきました。
ほんとに「このまま」でいいんですよ。
だけど、そういう縁というのは
ガツンと愛の告白をしたほうに
どっちゃり持っていかれちゃうんですよね。

でも、心がどこかでつながってて、ときどき
「はー、元気かな」と思える。
「幸せならいいな」と思える。
多少おせっかいな周囲からは
「あんなに仲がよかったのにもったいない」
と言われてその気になって落ち込む。

でも、
「仲がいいというだけでは
 人生の責任は取れないんだよ、
 自分でもコントロール不能な
 愛の嵐だったからこそ
 それからのいろんなことを越えられるのだ」
と、勤め先の社長から忠告されました。
たいへん勉強になります。

 

長渕さんはぼくも通らなかった道なので、
さん情報がたいへんありがたいです。
おすすめをいま聴いてきたんですが、
すごいです。
無二の存在。
こんな歌声はほかにないです。
多くの信者を獲得している事実を理解できます。

さて、投稿。
いいですねー、たまらない。
「大嫌いだったけど恋に落ちました。」
「私は号泣! 涙と笑いが止まらなかった。」
このあたりに「動物的なリアル」を感じます。
ひりひりとした切い感覚は、
長渕さんの世界観に通じると思いました。

「このままでいいや」問題は、ねえ‥‥。
悩みが尽きない問題だけれども、
この、あかね色のグラデーションゾーンがあるからこそ、
恋愛ドラマは永遠に起き続けるんでしょうね。

何度か書いてることですが、
こうしたたいせつな想い出を読むたびに、
いい大人の数だけ、切ない物語があるのだなぁと、
途方に暮れるような感動をおぼえるのです。

優等生の女の子が、
勉強はあまり得意じゃない
(だけど、たぶん、かっこいい)
ちょっと恋に不器用な男の子とすごした
「恋人みたいな時間」かあ。
いいじゃないか。
そのままで、いいじゃないか。
それで、よかったじゃないか。
そう思いました。

この「しゃぼん玉」という曲、
まったく知らなかったので
歌詞を読んでみたんですけれど、
不器用な自分をもてあますように、
ひりひりとした思いをかかえた
主人公の男の子は、
意外なことに、
涙を流しているんですね。
(とんぼ)さんの同級生の彼も、
もしかしたらそんな気分だったのかなあ。
「ねえ、あのとき、どんな気持ちで
 あの曲を渡してくれたの?」
なんて、たとえ今聞いたとしても、
きっと彼は答えないでしょうね。
しらばっくれることができるくらい、
おとなになっているはずだし、
それにそれは墓まで持ってく
だいじな思い出かもしれない。

ところでぼくは長渕剛というひとの音楽は
デビュー当時のヒット曲くらいしか知りません。
あとはものまね番組で知った(すみません)
「乾杯」という曲とか‥‥。
けれどずいぶん前に
飲み屋で知らない人が歌ってた
やけにしんみりした「素顔」という曲が
長渕剛の楽曲と知って、
へえ、そうなんだ、
こういう曲もあるんだ、と
みょうに印象深かったのを覚えてます。

この「恋歌くちずさみ委員会」では
入稿のスタイルが少々変わっておりまして、
毎回、ひとつの投稿を挙げて、
そこに原稿を書き足していくような感じで
4人が書いていくんですね。

で、今回、私、少々出遅れまして、
気づくと「これでもか」と語った原稿が
ぼくの前にドーンと3つも。
ああ、これ以上、
なにを書き足すことがありましょう。

プロ野球ファンのぼくとしては、
長渕さんといえば清原さん。
清原さんといえば長渕さんです。
年を重ねるにしたがって
おふたりのルックスは似通っていき、
いま、長渕さんが歌を添えた
清原選手の引退試合のセレモニーのことを
脳裏に思い浮かべるとき、
両者がくるくると入れ替わって困ります。

そのような軽口をたたいて
全体のバランスを整えたあと、
みなさまからの投稿をお待ちしていますと
アナウンスして終わります。

ああ、そういえば、
長渕さんの代表曲『乾杯』もまた、
『ふられ気分でROCK'N'ROLL』
と同じく、「全サビ」の曲ですねぇ。
また、次回。

2011-11-16-WED

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