当時つきあっていた人の古いアパートで
狭いお風呂に一緒に入りながら、
彼がときどき歌っていました。
ちゃんと歌詞を覚えてなかったのか、
出だし以外は適当なのに
気持ち良さそうに歌う彼がとても好きでした。
人に愚痴を言うのが嫌だと言いながら、
私だけに愚痴を言う彼がとても好きでした。
お箸の持ち方が下手で、
不思議と美味しい料理を作る彼が
とても好きでした。
親父がそうしてたからって、
コーヒーにミルクと砂糖を入れて
混ぜずに飲む彼がとても好きでした。
地元のお祭りでお神輿を担ぐことを
誇りに思ってる彼がとても好きでした。
たくさん泣いて、別れました。
今は、それぞれ別の人生を歩んでます。
この歌を聴くと、あの狭いお風呂で歌う
彼のことを思い出します。 |