いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

あの狭いお風呂で歌う
彼のことを思い出します。
(投稿者・海のない町より)

『時の流れに身をまかせ』
 歌/テレサ・テン

 1986年(昭和61年)
 

My恋歌ポイント

 もしもあなたと 逢えずにいたら
 わたしは何を してたでしょうか
 平凡だけど 誰かを愛し
 普通の暮らし してたでしょうか

当時つきあっていた人の古いアパートで
狭いお風呂に一緒に入りながら、
彼がときどき歌っていました。

ちゃんと歌詞を覚えてなかったのか、
出だし以外は適当なのに
気持ち良さそうに歌う彼がとても好きでした。

人に愚痴を言うのが嫌だと言いながら、
私だけに愚痴を言う彼がとても好きでした。

お箸の持ち方が下手で、
不思議と美味しい料理を作る彼が
とても好きでした。

親父がそうしてたからって、
コーヒーにミルクと砂糖を入れて
混ぜずに飲む彼がとても好きでした。

地元のお祭りでお神輿を担ぐことを
誇りに思ってる彼がとても好きでした。

たくさん泣いて、別れました。

今は、それぞれ別の人生を歩んでます。

この歌を聴くと、あの狭いお風呂で歌う
彼のことを思い出します。

情景が浮かびます。
大好きな彼が歌った
でたらめなくちずさみ。
歌が「時の流れに身をまかせ」であるのも、
流行り具合、女歌である具合、
とてもいい。
きっとすてきな、かわいい人だったんだなぁ。
大好きだったけど、別れたんだなぁ。

委員会の4人でしみじみと
「いい!!」と唸ったメールです。

これはもう、詩だよー。
音読してほしい、
個性的な女優さんに朗読してほしい。
誰かな、大竹しのぶさんかなあ、
萬田久子さんかなあ、
もたいまさこさんかなあ(いろいろ妄想)。
ぼくは
「お箸の持ち方が下手で、
 不思議と美味しい料理を作る彼が
 とても好きでした。」
というところがとても好きです。

そして(海のない町より)さんも、
いま、こんなふうに、
かつての恋人のことをさらりと
愛情をもって話せるというのが、いい!
それが「時」というものなんでしょうか。

まことに、名作投稿。
投稿そのものが恋歌のように、
何度も読み返したくなるものでした。

ディテール、ですよねぇ‥‥。
具体的なディテールが、
ぐいっと心をつかんでくるんです。

「古いアパートの
 狭いお風呂に一緒に入りながら」

って、なんかもう‥‥迫力がものすごい。

風景と気持ちがぎゅっと凝縮された
すばらしい投稿に対して、
あれこれ多くを語るは野暮でしょう。

特別な賛辞として述べるなら、
誰かこれにそのまま曲をつけてくれ。

ところで年末年始の
「恋歌くちずさみ委員会」は、
スペシャル企画として毎日更新予定。
それも、投稿が充実しているがゆえ。

みなさまからの投稿、待ってます。
知り合いの方にもぜひお知らせください。

2011-12-14-WED

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