いわゆる前夫は、熱い男で、
長渕を愛し、尾崎の死には号泣し、
浜省はバイブルのようでした。
コンサートのチケットを入手するため、
嵐の中一晩中一緒に並ばされたり、
ギターでワタクシへの愛を奏でたり‥‥‥と
今振り返るとちとおもしろいですが
どちらかというと、冷めた女であるワタクシには
ハードすぎる男でした。
そういう男だからこそ、
新しい愛に一直線で突っ走ったのでしょう。
「運命の人と出会ってしまった。離婚してくれ」
まったくもって、迷惑な話です!
1才になったばかりの娘を抱え、途方に暮れましたよ。
ときは流れ、娘がもうすぐ中学生になるという頃、
今の夫と再婚しました。
さだまさしの国文学的歌詞を研究し、
中島みゆきのひねた歌詞の中の深層心理を探求し、
ジャズやクラッシックに、フィーリングではなく、
学識的観点から入るような現夫。
「めんどくせー」とか「うぜー」とか
思うときもあるけど、結構おもしろかったりします。
ユーミンの歌は、自分の通ってきた道にセットされてて、
聞く度に、懐かしかったりほろ苦かったりします。
そして、それはたいていの場合、
過去に思いを馳せることになります。
でも、この「よそゆき顔で」を聞くと、
前夫のことはほろ苦く思い出したりするものの
♪今の相手は、かたい仕事と、静かな夢を持った人♪
のところまで聞くと、
必ず夫の顔が浮かび、
娘ごとワタクシの人生を引き受けてくれた
夫の男気を思います。
これからの自分たちの未来(老後?)に思いを馳せます。
なかよく年を取っていこうね、という
やさしい気持ちになります。
そして、またときは流れ、娘は18になりました。
いまは
「佐藤健チョーかっこいい!」
「市原隼人ってばイケメン!」
とか言ってますが、
きっと夫によく似たやさしい彼氏を
連れて来る日も
そんなに遠くないんだろうなあ。 |