20代前半の女子が、
今年音源化された歌を送りつけるなんて、
くちずさみ委員会の趣旨をかなり逸脱しているというか、
頭から無視してしまってますね。すみません。
しかし、二階堂和美さんの歌ならば、
くちずさみ世代の方々にも
共感して頂けるのではないかと思いまして、
メールをしたためました。
付き合いはじめて、
もうすぐふた月が過ぎようとする彼がいます。
恥ずかしながら、人生で初めての恋人です。
これまでの2ヶ月、けんか一つしませんでした。
とにかく、優しいひとなんです。
私が仕事で遅くなる日は、
駅に迎えに来て、家まで送ってくれます。
そして、ことあるごとに「好きだ。」と言ってくれます。
なのに
どうしてか、私は彼に「好き。」とは言えません。
彼に対して、思慕の情を抱いているのは確かです。
寂しかったり、くたびれていたりする夜は、
「会いたいなあ‥‥」と、涙ぐむこともあります。
しかし、そのようなもろもろの感情を
「すき」という二文字に変換してしまうのは、
なにか適切ではないと思うのです。
彼が「好きだ。」と言ってくれるのは
(いささか照れくさいにせよ)嬉しいことです。
なので、私が言葉で示さないのは、
フェアではないような気がするのです。
彼も、やや気にしているようで、
「どう思ってるの?」「何を考えてるの?」と、
ためらいがちに訊いてきます。
でも、口に出さないだけで、
何も想ってないわけではないし‥‥。
というか、言葉で伝えなきゃダメなの?
いや、そもそも本当に彼を好きなんだろうか?
そんな堂々巡りの思考に疲れたとき、
にかさんの柔らかい声をふと思い出しました。
「ああ、あなたが好きですと
言えぬままに二度とは逢えぬ」
そう、いつもそうなのです。
おくてな私は、片思いをしていても、どこか本気になれず、
会えなくなってから強烈な恋しさを感じるたちなのです。
今は両想いで、そばに居られます。
でも、いつ逢えなくなるか分かりません。
震災があったおかげで、
別れについて、よけいに考えてしまいます。
離別にせよ、死別にせよ、別れはいつか必ずやってくる。
そのとき、きっと私は泣きながら、
素直な思いで「好き!」と言えるでしょう。
でも、そばに居るあいだに
ちゃんと言わないと意味はないわけで。
なんで
なんで、言えないんだろう。
目を細めて見つめる眼差しや、
髪を撫でる手のあたたかさが、本当に愛おしいのに。
いつか、言えるでしょうか。
言いたいなあ。「そのとき」の前に。 |