恋愛といえば、男女でするもの、というのが大多数だし、
だからそれが「普通」だと思ってきました。
当時15年ぐらい前は、今以上に、そういう雰囲気でした。
だから、女の子が好きになっても、
友達として、親友として、
それ以上の何かを期待することもなく、
いつも恋の相談にのったりしていました。
でも、好きすぎて、その気持ちのもっていきようがなくて。
でも、彼女のことがそんなに好きだということを、
相手にわからせては、ひかれる、だからできない、
と、思っていました。
だけど言葉で言わなくても、毎日のように電話したり、
彼女のことを気にしているのは
相手に伝わらないわけがない。
それなのに私は、「好きなのは○○さん」と、
共通の友人(男)のことを言って
(その人のことも尊敬してて好きでしたが)、
結果、いろいろあって、
彼女との関係をこじらせてしまいました。
そんなころに出たスピッツの新曲が、『楓』でした。
『楓』をヘビーローテーションでかけて泣きながら、
ああ、私は相手に迷惑をかけたくないとか思って、
信頼してくれた大切な友人に、
正直になることができなくて、
結局、迷惑をかけてるじゃないか。
結局、自分が傷つきたくないという
保身だったんじゃないか。
と、そのとき、気づいたのです。
こんなことは、もうやめようと。
女の子が好きという気持ちに正直になることにしました。
「女の子が好きという気持ちに正直になることにした」
と、その彼女に伝えました。
彼女自身も、別のことでいろいろ悩んでいて、
お互いもっと正直にいろいろ話し合えるようになりました。
・・・・・・
それから3年ぐらい経って、引っ越して職場も変わって、
新しい友達ができました。
職場関係の合宿に、彼女も一緒に参加して、
お風呂で一緒になったとき、
どちらからともなく歌を歌い始めました。
(遅い時間だったからか、そのときふたりだけでした)
どっちが歌いだしたのかわからないけど、
この曲好きなんだ、と、
スピッツの『楓』を歌いだして、
お風呂の中でハモッていました。
その彼女と親友になって、
「昔の彼とよりがもどせるかもしれないの」
という彼女を応援したりしていました。
昔の彼を追いかけて海外まで行って、
でもやっぱりうまくいかなかった彼女をなぐさめました。
またいい人に出会えるよ、と。
その半年後ぐらいのクリスマスの日に
一緒に小さなコンサートにいったとき、
「私と結婚するのはどう?」
と、冗談ぽく、でも私としては
朝から言うと決めていたことを、言いました。
法的にはもちろん結婚できないんですが、
彼女と人生をともにできたらいいな、と。
「そういうのも、いいかもね」と、
冗談だか本気だかつかない返事をもらいました。
どう取っていいのかわからないまま、
その後2ヶ月ぐらい二人で会うチャンスがなく・・。
でも2ヵ月後のバレンタインの日に、
手作りのプレゼントを持ってきてくれて、
OKしてくれました。
今年のバレンタインデーで、つきあって9年目、
一緒に暮らして7年半になります。
自分たちらしい「普通」の幸せを、
大事にしていきたいと思います。 |