彼は職場の上司で、なんとなく一緒に食事に行って、
なんとなく関係が始まりました。
お互いに結婚はおろか恋人もいない、
何の問題もないのに、
「どちらかに恋人ができるまで」という、
あいまいな期限付きのなんとも言えない関係。
それはつまり、私たちが
「本当の」恋人同士になることは永遠にない、
ということ。
もちろん職場の人たちには内緒。
「彼女のような」振る舞いをするのも気が引けて、
自分から電話やメールをすることはほとんどありません。
なのに、気まぐれな彼が
「ご飯行く?」とメールや電話をしてくれば
すぐに飛んでいけるよう、
携帯と時計を見比べながら
夕食の準備をぎりぎりまで引き伸ばす私。
会いたいとも言わずに待つだけなんて
「不倫か!?」と自分で突っ込みながら・・・
酔ってカラオケに行けばハマショーの
「もうひとつの土曜日」を
思い入れたっぷりに歌い上げ、
私にはこの曲を教え込む彼。
いったい何を考えて・・・と私が深読みしていることも、
実は頭のいい彼にはお見通しなのでしょうか。
いつかくるその時、自分は何を思うのか、
分からないふりではいさせてくれないこの曲を歌うのは、
正直ちょっとしんどいのです(笑)。
きっと私たちの間にも
「さよなら」以外の答えはないから。
ぼちぼち30を過ぎ、
都合のいい女はいい加減卒業しなきゃ、
と思う今日この頃、
本当は(?)前向きでもある歌詞をかみしめて、
いつか私の「恋歌」になるのかなぁと、
まだまだ切ない気持ちで、
ひとり口ずさむようになってしまいました。
ひょっとして彼にとっては、
かけがえのない「恋歌」だったりするのかな・・・
なんていらぬ想像をしながら。 |