『赤いスイートピー』
 松田聖子

 
1982年(昭和57年)

歌に乗せないで、
はっきり言ってほしい。
(投稿者・kusabue)

何故 知り合った日から半年過ぎても
あなたって手も握らない


しばらく前に、
10歳年下の男の子が気になり
「いかん、いかんよなー。
 あなたの匂いとか
 言ってる場合じゃないよなー」
と言ってた方、いましたよね

これ、みんな、あると思うんですよ。
私も同じです。
善良な小市民ですが、
最近、久しぶりにまいっちゃってます。
同じく、お互い既婚で相手は年下君。

相手の気持ちは、微妙すぎてわかりません。
ただ、自分の気持ちは日が経つにつれ、
結構困ったことになってます。
いかん、いかーん!

カラオケに行くと、大好きな歌だからと、
必ず彼に歌わされるこの歌。
そしてこの部分に来ると
「男はみんな、そんなもんです。
 そういうことなんですよ」
と。

正直、歌うのがそろそろ、しんどいです。
何も思ってないなら
歌わせないでほしいなあ。
そして、
伝えきれない何かがあるんだったら、
歌に乗せないで、言ってほしいなあ。

(kusabue)

あちゃーーーーっ、
いかんですいかんです、
「伝えきれない何かがあるんだったら、
 歌に乗せないで、言ってほしいなあ」
って、
言ってもらっちゃったら、
言ってもらっちゃったら、
どどどどどーーーするんすか!
バターン(鼻血)。

あ、倒れた。ひさびさだね。

危ない、
あんな道ばたで倒れていたら危ない!
(タタタタと駆けより)
気をたしかに!
スガノさんっ!(頬を張る)
スガノさんっ!(頬を張る)
‥‥だめだ、目を覚まさない。
‥‥‥‥スガノさんっ!(腹を殴る)

あ、また起こすんだ。
ええと、オレはどうするんだっけな。
あ、ブランデーを吹きかけるんだ。

と、そういう茶番に参加する前に、
コメントだけしておこうかな。

そう、この投稿で指摘されている
「いかん、いかんよなー」の名言を生んだ
『たそがれマイ・ラブ』の回は
けっこうな反響がありまして、
あれ以降、我々「恋歌口ずさみ委員会」のあいだでは
職場不倫一歩手前の揺れ動きメールを
「いかんよなー」モノ、と通称するほどなのです。

この『赤いスイートピー』も
典型的な「いかんよなー」モノ。
うん。いかん。いかんよなー。でもなぁ、という。

それにしても名曲『赤いスイートピー』は
まだ登場してなかったんですね。
B面の『制服』が登場してたから
すっかり以前登場したと思ってた。
ちなみに作曲はご存じ、呉田軽穂さん。
え? 知らない?
いえ、きっとあなたも知ってますよ。

さて、と。茶番に戻ろうかな。

(やおら懐からブランデーの小瓶を取り出し、
 栓を抜いてぐびぐびと口いっぱいに含み、
 朦朧としているスガノめがけて)

ぶぅぅぅーーーーーーっっっ!

だめだ、まだ目が覚めない。

‥‥‥‥スガノさんっ!(当て身をくらわせる)

し、しまった、ますます深く気を失った。

(背中に回って両腕を強くつかみ)えいっ!

あ、目を覚ました。

‥‥‥‥でも、スガノさんっ!(当て身をくらわせる)
これからぼくも投稿への感想を言うので、
もうしばらく眠っていてください。

(kusabue)さん、
そりゃあしんどいことでしょう。
「何故 知り合った日から半年過ぎても
 あなたって手も握らない」
を何度も歌わせられるなんて‥‥。

でもきっと、
そのつどのドキドキも、蜜の味なんでしょうねー。

この投稿の好きなところは、
ぜんたいにただよう「まんざらでもない感」です。
いかんよなー、
でも、まんざらでもないなー、
っていう感じが、正直でかわいいです。

さて。
茶番に戻りますか。

(背中に回って両腕を強くつかみ)えいっ!

ハッ。
ここはどこ、
わたしは‥‥そうだ、善良な小市民。
背中で同僚に両手をつかまれている。
そしてなぜか酒くさい。
いとしい年下の、赤いスイートピーの君よ。
思わせぶりはやめてほしいけど
どうか思わせぶりなだけでいて、とも思う。
はぁあああああ。
ドシーーン。

グーーー、グーーー、
スピーー、スピーー、
zzzzz‥‥‥‥。
(元来、酒に強くないため、
 口に含んだ少量のブランデーで
 したたかに酔っぱらって
 眠ってしまったのだった)

ちょっとちょっと。
早寝早起きがマイブームのぼくが
ぐうすか眠ってる間に、
つまり深夜のミッドナイトの丑三つ時に
あんたら何の茶番を。
もう朝だよ。
すべてを浄化する朝だよ。
スガノも永田さんも起きなさい!
もう朝の8時だよ!
ああ酒臭い。

さて。
通称「いかんよなー」モノ。
委員会のほかの3人が茶番を演じながらも
いかんいかん、それはいかん! と、
じつは本気で主張するのにたいし、
ぼくはいつも思っているのです。

しょーがないじゃん。

そういうもんじゃん。

ときめいちゃったら、
どーしよーもないじゃん。

で、どうすればいいのかというと
「その、どうにもならない状態を楽しむ」のが
いちばんいいんじゃないかなと思うのです。

「あなたって手も握らない」

というその状態が、(kusabue)さんにとって、
たぶんいちばんあまくせつない状態です。
そんな状態になるって、なかなかないよ!
次の一手に踏み出しちゃったら
それ消えちゃうよ!
スガノも言うように
「どうか思わせぶりなだけでいて」
に賛成。
結果的にまわりくどい止め方になってますが。

それにしても年下君。

「男はみんな、そんなもんです。
 そういうことなんですよ」

ずるいな。ずるい。
恋に「みんな」の意見は関係ないだろう。
それにそんな男ばかりじゃないぞ。

ということでこのへんで締めましょう。
次回「恋歌口ずさみ委員会」は水曜日の更新です。
みなさまよい週末を!
春に思い出す恋と恋歌がありましたら
ぜひ投稿くださいませー!
お待ちしております。

2012-04-14-SAT

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