訃報を知るときの、その電話。
もう、高齢だったのですが、
今年の3月、私もそれを受けました。
吉本隆明さんでした。
深夜で、わたしは自宅の窓辺で、
たまたまiPhoneのゲームをしていました。
着信があってすぐに電話に出たので
「徹夜してたのかい?」
と、知らせてくれた相手に言われました。
その言葉からはじまって、
ひと言ひと言がスローモーションのようでした。
電話を切って、そのあと何度携帯を操作しても
糸井重里にうまく連絡ができず、
もどかしく思ったことも憶えています。
まさに、夢の中にいるようでした。
若いころに友人をなくしたときは
「ぽっかり穴が開いたような喪失感」に
襲われましたが、
最近は、人が亡くなると
その人が自分に入る感覚になります。
だから、あまりさみしくない。
会えないのは悲しくて嫌だけど。
長い一本道、
ずっと続くかと思っていたのに、
彼の道はとつぜん終わってしまった。
できることなら、ずっと続く道を、
すてきなお医者さんになっていただろう彼を
見届けたかったですよね。
大切な友達については、心からそう思います。
ただ、見届けたい。
だから元気で、と。
恋歌くちずさみ委員会の
読者のみなさまも、どうぞお元気で。
明日も、恋歌、ありますよ! |