このコーナーによせられる
たくさんの恋歌投稿を読むうちに、
ああ、そうなのかと、
ぼんやり思いはじめたことがあります。
遠距離恋愛がむつかしい、
というのは、以前から知ってました。
それに加えて、もうひとつ思ったことは、
一方が学生にとどまり、
一方が社会人になるとき、
それまでになかった隔たりができるということ。
そして、そのふたつがかさなったときに、
より大きな距離ができるのだなということです。
これまでに、そういう投稿をいくつも読みました。
ふたりの距離が開き、暮らしが変わるとき、
学生時代の関係はある種の変質を迫られる。
絶対に避けられない障害ではないけれど、
それは学生時代のふたりにとって大きな試練となる。
そして、届くメールを読みながら、
意外にもぼくが感じていることは、
ひょっとしたらそれは
悪いことばかりじゃないのかもしれない、
ということです。
もちろん、まことに勝手ながら、
という注釈つきではあるのですが。
季節が終わると散る花があるように、
そういう季節の節目に終わる恋があって、
だからこそはじまる生活や開ける風景がある。
今回届いたような、
「あのころ」を懐かしく悔やみながらも、
過去に取りすがってるわけではない、という
さわやかなメールを読むにつけ、
そんなふうなことをぼんやり感じました。 |