『旅の手帖』 サニーデイ・サービス 1997年(平成9年)) アルバム『サニーデイ・サービス』に収録曲
ある日、パッと目が合い、 歩き出して、すれ違うときに、 貸していたCDを受け取る。 なにしろ、この場面が、しびれます。 こういうことばでいいのかわかりませんけど、 スリリングです。 だって、十代の、 つき合っていないけれども お互いに「憎からず」思っている男女が ふたりきりで会うわけにもいかず、 クラスという冷やかし上手な集団のなかで 「ふたりだけのこと」を進行させるなんて、 『ゴッドファーザー』の 暗殺シーン並にスリリングですよ。 そして、そういうことが たしかにあったなあとぼんやり思い出すのは、 恋がはじまるよりもちょっとまえにある、 「目が合う」感じです。 見てると見たり、見ると見てたりする、あの感じ。 それがモノクロームの毎日を 天然色に変えちゃうんですよねー。 ああ、うれしい投稿だった。 どうもありがとうございます。
『サニーデイ・サービス』、 貸したんですよね、K君に。 そりゃあもう、まちがいなく K君は、そのアルバムを聴くたびに (ひりこ)さんのことを思い出していたと思います。 『サニーデイ・サービス』アルバム全曲が K君の「恋歌」になって メモリーとして継続しちゃってたことだろうと わたくしは、かくじつに、思います! それがね、特にCDはね、 貸したほうが、わりに忘れちゃってんですね。 だからたまに、 「◯◯◯を聴くたびに君のことを思い出す」 とか言われて、ギョッとしたり。 そんなに人にCDを貸すもんじゃあ、ありませんね。 でも、借りた場合は憶えてる。 しつこくしつこく‥‥歌ってそんな機能があるのかな? と思います。 だから「恋歌くちずさみ委員会」もあるんですよね。 (ひりこ)さんは その、ドラマティックな返却シーンもあわせて、 貸した側で、憶えてた。 そんなキラキラした「親しみ」が ずっとつづくのって、憎からず。 なんてさわやかなんだろう、と思います。
瞬間の、せつなの、きらめく緊張感。 たった3行で描ける、ほんの数秒の出来事。 私は歩きだし、 K君とすれ違うときに パッとCDを受け取りました。 でも、濃いんですよねぇ。 決意というか、覚悟というか、 その瞬間には「よし!」という思いが必要なわけで。 周囲にはクラスメイトがいて、 照れくさいし、からかわれるかもしれないし。 「でも、いま、行かなくちゃ! どう思われたっていい!」 この若い瞬発力に、もう‥‥ 読んでいて、こちらまでドキドキ! ときめいてしまうのです。 同窓会の出来事も、似ていますよね。 「明らかに変」と周囲から思われちゃう状況を K君は「よし!」と決意して、 自分からつくったわけですから。 周りの友だちがあたたかなのも、いいなぁ。 驚きと好奇心で目をまん丸にしながらも、 「よかったねー」の気持ちがあるんですよね、きっと。 かわいくて、さわやかな投稿をありがとうございました。 自分のことを思い返してみれば、 心ときめく思い出のほとんどは 「瞬間」なのかもしれないと思いました。 今回は、このあたりで。 みなさまの投稿、こころよりお待ちしています。
2012-07-11-WED