『やさしさに包まれたなら』
 荒井由実

 
1974年(昭和49年)

初めて研究室に
やって来た彼は、
いきなり彼女
に一目ぼれ(笑)。
(ゆう)

すみません、
ちょっと決められないです‥‥。

大学院の研究室というのは、
本当に狭い世界で。

私を入れて、同期が女子2人、男子4人。
6人が学部4年生から大学院までの3年間、
同じ研究室に所属します。
3年という短い期間ではありますが、
毎日常に顔を合わせ時間を共にする、
とてもとても濃い3年間です。

私の同期はとても仲がよくて、
3年間、とにかく一緒に居る時間が長かった。
大学院に上がるとき人が入れ替わったりもしましたが、
寝ている時間以外ほとんどを6人の誰かといたと思います。

特に、女子は2人なので、もうひとりである彼女とは、
ほんとうによく一緒にいました。

涙もろくてちょっとおっとりマイペースだけど、
芯は強くて感受性豊かでやさしい彼女。
彼女がいなければ、
きっと私の研究生活は挫折していたと思います。

大学院に上がったとき、男の子1人が別の研究室へ転属し、
代わりに新しく一人、男の子が入ってきました。

ちょっと(だいぶ?)頑固で恥ずかしがりやだけど、
建築がとことん好きで、好奇心旺盛で、
好きなものには熱意の塊みたいな彼。

初めて研究室にやって来た彼は、
いきなり彼女に一目ぼれ(笑)。
もう、私を含めた残り4人が見ていて
笑っちゃうくらいわかりやすくて、
彼女と話しているときはキラキラしていて、
彼女が休みの日はあからさまにテンションが低い。
全身に「好き」って書いてあるみたいでした(笑)

肝心の彼女はというと、持ち前のおっとりさで
最初は全く気づいていなかったようですが、
あるときから、ふと気付くと
2人が一緒に研究室にきたりするようになったので、
シャイな2人は何も言わなかったけど、
残りのみんなで
「あー、これは。」とニヤニヤしていました。

それからしばらく経ったころ、彼女からこっそり
「報告があるんだけど…
 実はちょっと前から彼と付き合ってるの」
といわれたときは、
思わず
「いや、もうみんなとっくに気付いてるけど」
と大笑いしてしまったほど。
彼女は相当驚いていましたが、
そりゃね、あなた、
毎日一緒に居るんだから、いやでも気付きますよ。

しばらくすると、今度は彼から、
研究室同期全員に「付き合ってます」と正式に(?)報告。
こういう妙に律儀なところが彼らしい。

そこから院の修了まではさらに濃く、
2人を見守りつつずっと一緒に居た6人。
いやー。濃かった。濃ゆかった。

修士をなんとか全員修了し、
仕事でなかなか会えなくなっても、
研究室の忘年会やOB会で顔を会わせては、
別々に座って会話のない2人に
「おいおい大丈夫か!?」とやきもきしたり、
次に会ったら仲よさそうにしている2人に
胸をなでおろしたり。
残りの4人は、口には出さなかったけど、
2人がどうしているのか、ずっと気にしていました。

そんな2人が、今週末、式を挙げます。

9月に突然「報告があります」
と急に彼が6人を集めたときは、
相変わらずのわかりやすさに
吹き出しそうになりました(ごめんね。)

もちろん、二次会の幹事やビデオ作成は残りの4人。
一番大事な仲間の2人に、最高に幸せになってもらうべく
色々企画しています。

披露宴の紹介ビデオに、彼女がリクエストしたのが
ユーミンの「やさしさに包まれたなら」でした。
やさしい彼女らしい選択です。
彼女の紹介に使いますが、曲の雰囲気が2人っぽいし。
手前みそながら、いいビデオが出来たと思います。
(実際に作ったのは別の仲間ですけど)

2人とも、本っっ当におめでとう!
大切な仲間が幸せになるのはとても嬉しい。
そして、結婚は2人の間の出来事だけど、
6人のつながりも強くなった気がして余計に嬉しいです。

これからも、2人仲良くね。
そして、6人で、これからもずっと、よろしく。

(ゆう)

ふわあーーーーーーー!
おっめでとうございまーーーーーーーす!
拍手、拍手、拍手ーー!

この投稿が届いたのが12月5日。
急きょ、急きょです。
採用させていただくことにしました。

「そんな2人が、今週末、式を挙げます。」
というのは、今日でしょうか明日でしょうか。

いずれにしても、やんややんやー!
「恋歌くちずさみ委員会」からの、
ささやかなお祝いのしるしでございます。

おふたりと、
その男女6人に、幸あれ!!

やんや、やんや!
おめでとう、おめでとう。

同じ仲間で、こうしてつながっている人がいると
こころづよいですよね。
4人の仲間もおめでとう!

いくら世の中が便利になっても
こういうつながりによって
人は泣いたり笑ったりしていくんだなぁ。

とにかく、めでたい。
端っこでいっしょによろこばせてくださいね!

読みながら、引き込まれ、
ああ、この恋はどうなるんだろうと
例によってはらはらと読んでいたら、
まさかの、今週末結婚式!
おめでとうございます!

「恋歌くちずさみ委員会」には
たくさんのメールをいただいておりまして、
正直、掲載をお待たせしているメールも
たくさんあるのですが、
ずばり、今回は、うれしい例外です。
メールを読んだ瞬間、全員一致で
「これを今週の土曜日に!」
ということになりました。

新婦さんの選曲もいいですね。
♪ちいさいころーはーかーみさまがいてー
現代の松任谷由実さんが
リリース当時の荒井由実さんとデュエットした
セルフカバーバージョンもいいですよ。
『Yuming Compositions: FACES』
に収録されてます。

「恋歌」にいただくメールを読むとき、
みょうなクセがついていて、
「この恋は、このあとどうなるのか予想しながら」
読んでしまうんです。
無粋と知りながら、ついつい。
たいていの場合、「やっぱりな」ということはなくて、
「えっ! そういう展開?!」になるんですが、
今回も、そう。それもうれしい方向に。
こういう、全身に好きって書いてあるタイプって、
まっすぐなだけに、からかいたくっても、
結局ふたりまるごと好きになっちゃいますよね。

ということで、
おめでとうございまーす!
「おれは用事があって出席できないんだけど、
 ふたりに、くれぐれも、おめでとうって言ってね」
というような身内気分で、
おめでとうございまーっす!

おふたりに、ゆうさんに、仲間の6人に、
これからもいいことがありますように。
この一件をここで目撃したぼくらにも
(もちろん読者のみなさんにも)
たくさんいいことがありますように!
それではよい週末をおすごしください。
もう年末だーっ!

2012-12-08-SAT

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