『ロング・バージョン』
 稲垣潤一

 
1983年(昭和58年)

結局、こんなことは
まったくおこらないまま、45才。
 (こぶた)

約束しないと責めて 泣き疲れた姿勢のままに
いつか軽い寝息の君は 急にあどけない顔して

いまだに、この曲をきくと、
へろ〜っとなってしまいます。
イントロから、歌いだしからすべて。

「白いシーツ素肌に巻いて」
なんてところ、もうたまらん、という感じです。

曲も歌詞も、時代だな〜って
感じなんですが‥‥
私にとっての「恋歌」といったらこれなのです。

こういうのが、大人なんだろうなー、
と背伸びして聞いていた田舎の女子高生。
アルバムに入っていた曲ですが、
聴いたとたんに、
ずどーんと魂もっていかれました。

結局、こんなことはまったくおこらないまま、45才。

40過ぎてから、
死に物狂いで婚活して(いや、ほんと大変でした)
なんとか結婚。

旦那と二人の生活が、毎日平和で、
心が安らいで、まさか、
結婚して幸せになるとはおもわなかったぜ、
なのですが、
でも、「恋愛」なんてべつにないなー、
いままでも、これからも。

(こぶた)

やぁやぁやぁ、年の暮れ。
2012年も残すところあと3日です。
「恋歌くちずさみ委員会」
今年のトリをつとめますのは、
この、しあわせな投稿!

おっしゃるとおり
『ロング・バージョン』
すごい歌詞です。
想いとうらはらに
君の髪をかき寄せちゃうんですからね。

そんなことは、まったくないまま、
しあわせかみしめる。

おこたはいっておみかん食べましょう。

みなさま、よいお年を!

やあやあやあ、いよいよ年末。
ことしいちねん、委員会、
みなさんお世話になりました。
次々と届く名作のおかげで、
CD化と書籍化まで実現しちゃった2012年。
うれしいうれしいコンテンツの成長でした。
「でした」と言っても終わっちゃあいません。
来年度も、やりますよ。
変わらぬご愛顧、どうぞよろしく!

そんな年の瀬に、
(こぶた)さんのハッピーな投稿、
ほのぼのとあたたまります。

「こういうのが、大人なんだろうなー」
という思い、ありましたよねー。
結局なんだかいつまでたっても、
思っていた大人にはなれていない気がします。
それでも数字ばかりは増えてきて、
ことしもまあまあ平和だったねー、な年末。
大掃除めんどくさいなー、な年末。
お餅切っておくからねー、の年末。
だいたい同じのそういうことで、上々だと思います。
どなたさまも、よいお年を。


「君はあの日遊びでいいと
 酔った俺の手をつかんだ」んですよね。
「シャガール壁に」の部屋の
「窓の下は乾いた都会の荒野」なんですよね。
たしかにこりゃ都会だ、オトナだと
そう思っちゃってもおかしくないなー。
あとから「そんなやつぁ、いねえ!」と、
すっきりわかるんでしょうけど、
流行り歌に描かれていた虚構の街やオトナな関係は、
自分がそうなりたいか(なれるのか)はともかく、
コドモ心をドキドキさせるのにじゅうぶんでした。
40代になって年末こんなに
ドタバタ慌てふためくオトナになっていることは
当時の自分にはナイショにしておきたいですね。

(こぶた)さん、恋愛なんてべつにないなー、
とおっしゃいますが、
結婚してそこにある心の安らぎは、
まさしく人が「愛」と呼ぶ、
かたちのないすてきなものだと、
ぼくは思いましたよ!

よいお年をお迎えくださいー。

はいはいはい、今年も終わる。
今年の最後を飾る投稿を、
どうしようかとあれこれ悩む、
その「節目の重んじ方」もまた、
我々世代ぐらいが最後なのかもしれないねと
4人で話して決めたこの投稿。

ある意味、
「なんでもない日、おめでとう」な物語。
幸せっていうのは、
ほんとうにこういうことなんだなと
しみじみいたします。

ほかのみんなも言っておりますが、
1年、お世話になりました。
あいもかわらずぐだぐだと、
交わす雑談、深夜まで。
固有の名詞は薄れども、
つるつる出てくる恋の歌詞。
思えばあたしも恋の歌、
ひとつやふたつ、あったかも。
送ってみましょか、よしましょか。
とどめる理性と裏腹に
脳裏に広がる思い出は
みるみる心を包み込み、
つるつる出てくる恋の歌詞。
それならおぼろな風景を
つむいでつづって送ろうか。
恋歌くちずさみ委員会
今年もお世話になりました。

どちらさまも、ありがとう、ございますー。
それでは、みなさま、
よい、おとぉーーーーしをーーーー。
♪チョンチョンチョンチョンチョン
(2012年の緞帳、下がる。)

2012-12-29-SAT

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