これまで、中島みゆきさんの曲は
この「恋歌くちずさみ委員会」に
たくさん登場しているのですけれど、
なぜか、一般によく知られるヒット曲よりも、
どちらかというと「隠れた名曲」的な選曲が多く、
この『悪女』もはじめての掲載となります。
といっても、
ちっとも「悪女」になりきれてない感じですが‥‥。
あ、違う、歌のなかの主人公も、
ちっとも「悪女」じゃないんだった。
恋に通じるような接点を無邪気に喜ぶ自分と、
それを客観的に見下ろすような自分。
いろんな自分がいろんな態度で
宙ぶらりんな関係を取り巻いているようですが、
最終的な落としどころがどうなるとしても、
はじまりは「無邪気なうれしさ」なんですよね。
ブレーキをかけるのは、速度が出ているからこそ。
きちんと客観的な理由付けをすればするほど、
「隠しておいた」ことばと気持ちが
ほろり、こぼれてしまうような気がします。
それにしても『悪女』は
ほんとうに「日本語が気持ちいい」歌だなあ。
ぜひ、みなさん、くちずさんでください。
ことばというよりも「言い回し」が
メロディーとぴったり合って、
まるで自分の思いのように、感じられますよ。 |