『あれから二人』
 浜田省吾

 
1996年(平成8年)

人生の折り返し地点に
到達した今だから
 (rei)

失くした愛も くじけた夢も かかえて
いたわるように ふれあう

彼と初めて付き合ったのは中学3年生の時。
周り(彼の友達)からのススメで
なんとなく付き合いましたが、
いつの間にか夢中になっている自分に驚いたのを、
昨日の事のように覚えています。

夏休みには、何の用事もないのに、
ただただ一緒にいたくて毎日学校へ行ったものです。
受験勉強はそっちのけで
歌を歌ったり、将来の夢を語ったり。
帰り道は1時間かけて肩を並べて歩き、
他愛もない話が楽しくて嬉しくて。

受験を目前に、
彼から突然「会うのはやめよう」と言われ、
別々の高校へ進み、そのままそれっきりに。
別れの理由は話してくれませんでした。

その後、同窓会で何度か顔を合わせ、
お互いにバツイチとなったことを知り、
彼から再びのアプローチ。
でもその頃の私には好きな人がいて、
彼のキモチに応えることは出来ませんでした。

そして2011年3月11日、
「地震、大丈夫だったか?」と彼から突然のメール。
好きだった人を亡くし、
ずっと寂しく心細かった私の心を癒してくれる、
あたたかい言葉。
それから、頻繁ではないものの、
メールを交わすようになり、十数年ぶりに会い、
中学生のころの気持ちが蘇ってきました。

でもそこから急展開は無く、
相変わらずメールで話したり、半年に一度会ったりと‥‥
自分の気持ちがどこにたどり着くのか、
ドキドキしながらも冷静に振る舞っていました。
彼に気づかれないように、彼を失わないように。

そして今、
これからの人生にお互いが必要であることを感じ、
一緒にいることが自然な関係になりつつあります。

「50近いオジチャン、オバチャンだけど、
 なんだかこの感じ、イイよね」
彼がふと、こんな言葉をもらしました。
私も、50歳を目前にこんな気持ちになれるとは
想像もしていませんでした。

中3の時にフラれた理由は今でもわかりませんが、
今が幸せなら、ドキドキワクワクできれば
それでいいかな、と。
人生の折り返し地点に到達した今だから、
そう実感できます。

(rei)


長い長い時間をかけて、
少しずつ、近づいたり、離れたりして、
いま、ようやく自然な関係に
なりつつある、というお二人。

中3のときの恋が、
50歳を目前にして、実りつつある。
(まだ、完全に成就したわけではない、
 というのも、なんだかいいですね)

はーー。こういうことって、あるんですねぇ。
つまり、35年越しの恋?

これを、いま恋している中3の人が読んだら、
いったいどう思うんだろう?
その恋は、50歳になったときにかなうよ、
って言われたら、どう思うでしょうね。

なんだか、不思議に勇気をもらえる投稿でした。
ありがとうございました。

とつぜんの別れだったり
タイミングが合わなかったりで紆余曲折。
事実ってすごい。こんなこと、あるんですね。

中3の「いつの間にか夢中になったこと」が
まるで昨日のように思い起こされるけど、
いまは50歳を目の前にしている。
ずっと「現在進行形」。
すなわち、それが恋のすばらしさのような気がします。
つまり、恋には、終わりとかゴールとか、
「完成しちゃってる」とか、ないのかもしれないなぁ。
自分の気持ちがどこにたどり着くのかは、
いつだって、わからないですもん。

やーもう、すばらしい!!
ありがとうございました。

35年越しの恋。
その、成就。
すばらしいお話です。
不思議に勇気をもらえるというのは、まさしくその感じ。
ぼくだって! と思ってしまいます。
何を? というのは、まったく具体的に無いのですけれど。

(rei)さんが、慎重に大切に
彼との関係に向き合っていることが伝わってきます。
「自分の気持ちがどこにたどり着くのか」
それさえもわからないまま、
「彼に気づかれないように、彼を失わないように」
自然と、一緒にいるご関係になった‥‥
ほんとにすてきなことです。
これからもおふたりはそうして、
微調整をしながら一緒にいつづけるのでしょうね。
それはとても強固な関係をつくると思いました。

ですから、そうですね、
「恋にゴールがない」っていうのも、
まさしくそうだなぁと思います。
結婚も、しかり。
ゴールじゃあないんですよねぇ‥‥。

途中、どうなることかとかなりドキドキしながら
このメールを読み終えました。

「ただただ一緒にいたくて」

中学3年生の(rei)さんが
最初に思ったその気持ちが、
いまに、つながったんですね。

恋って、方程式どおりにはいかないですね。
こんなふうになる場合もあれば、
もちろんぜんぜんならない場合もある。
「○か×か」のようでいて、
ほんとは、出会ったふたりの数だけの
結論があるんだと思います。
結論が出ない、ということもふくめて。

さて、次回の恋歌はGW初日!
もちろん連休中も、土・水に
このコンテンツを更新しますよー。

2013-04-24-WED

最新のページへ
感想をおくる ツイートする ほぼ日ホームへ
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN