『欲望の街』
 ダウン・タウン・ブギウギ・バンド

 
1979年(昭和54年)

夫は好きな人ができると
歌を口ずさむようになります。
 (紫[ゆかり])

愛しい人よ もう一度振り向き
もう一度 この胸で泣きなよ

夫は好きな人ができると歌を口ずさむようになります。
もちろん本人は意識していないと思いますけど、
「女の勘」ってそんなものです(笑)。
レパートリーはいつも同じ。
その時に流行っている歌とか、
お相手の好みの歌とかになるわけではないんです。
恋の「気分」とマッチするのは、
やはり若い頃聞いていた歌なのでしょうか。
この曲はそのひとつ。
ハードボイルド好きな彼のお気に入りです。

本当は夫の「My恋歌」ですね。
私にとっては
「夫が誰かを想いながら歌っている」という
正直辛い歌です。
この歌、そう思って聞くと本当にキツイです‥‥本当に。
聞くと胸にズキンと突き刺さるほど苦しい時もあれば、
人にはそんなこともあるかもねと
フッと笑える時もある‥‥。
夫との関係を映すかなり屈折した「My恋歌」です。

そして苦しい時、
学生時代オフコースにはまっていた私の応援歌は、
小田和正さんの「たしかなこと」です。

♪疑うより信じていたい
 たとえ心の傷は消えなくても
 なくしたもの探しに行こう
 いつか いつの日か見つかるはず

(紫[ゆかり])

「夫は好きな人ができると歌を口ずさむようになります。」
‥‥って、こわいんですけど(女の勘が)!
だんなさんを弁護するつもりもないんですが、
そ、そんなに、本気の恋をしているわけじゃなくて、
「ちょっとかわいいなー。フフフ」っていうような
アイドル応援的な気分でいるんじゃ?

ダウン・タウン・ブギウギ・バンドって、
ものすごく名前がかっこいいなあと
いまになって思い、調べてみたら、
宇崎竜童さんがまず
「サディスティック・ミカ・バンドに対抗した
 長いバンド名を思いついた」んだそうですね。
「不良」を標榜していたんだけど、
(そういうのに興味がなかったのにもかかわらず)
こども心に、すっごくかっこよかったです。

いや、わかんないけど、
この勘、絶対、当たってると思う。
ただの勘だけじゃなくて、
妻しかわからない、
細かいポイントがいくつかあって、
総合的に「これはただの鼻歌じゃない」
ってことになってるんじゃないか
という気がします。

「夫の恋歌」というテーマの投稿は
以前にもありました。
こちらの『幸せであるように』です。

妻の前で、ほかの恋に思いを馳せながら
こっそり恋歌をくちずさむ夫と、
それをお見通しの妻。
いやあ、すごいものだなぁ、夫婦というものは。

なんてわかりやすい旦那様(笑)。
すみません、笑いごとではないです。

どうなんでしょう?
妻というものはそんなにも
夫の考えや心情をお見通しなものなのでしょうか?
たとえば‥‥私事ですけれども、
うちの場合だとそんな感じでもないと思うんだけどなぁ。
なにかを見ぬかれているのかなぁ。

ちなみに。
ぼくは妻帯者ではありますが、
「わ、素敵な女性」と思うことは
けっこうたびたびあります。
じゃーーん。
いやいやいや、そんなに爆弾発言ではないです。
だって多くの結婚している男性は、そうではないですか?
肝要なのは、
「素敵だなと思った次の瞬間に、
 またたく間に、自主的に、失恋する」こと。
1ミリたりともそれを具体的にしてはいけないということ。
なのだと思うのです。

心が動いたり
誰かとすごしてたのしかったりすることは
あるでしょう、お互いさまでしょうよ。
でもそれを匂わせたら終わりというのがお約束。
それを、鼻歌って!
うりゃぁ〜〜〜〜!!(背負い投げ)

しかもこうして、行動を指摘できる場合より
はるかに多いのは
「自分でもわからないけど、なんだか勘で
 そう思っちゃうんだよね」
ということ。

つまり、たいした理由はないけど
なんとなーく、そうじゃないかな?
と思うことが、たいてい、あたってる。

そういう、女の勘というものを
うわまわる防御というものを
していただかないといけませんぞ。

いいですか、みなさま。
『海馬』でおなじみの池谷裕二先生は、こちらのページ
こういうことをおっしゃっています。
「脳の部位でいうと
 基底核(きていかく)とか小脳という場所です。
 ここの活動は意識にのぼらないんです。
 ほんとうはちゃんと論理的に
 考えているんだろうけれども、
 答えだけがわかる、というものを
 出してくる場所なんです」
ね?
だから、むやみに、鼻歌、歌わない!
スキップしない!

でもしかたない、恋歌は、ある。あります。

委員会は明日もつづきます。
また、お会いしましょう。

 

2013-05-26-SUN

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