ぼくの明治生まれの祖母も後妻でした。
先妻は、祖母の実姉でした。
3人だったかな、
先妻であるお姉さんはこどもをのこし、
その遺志をついだかどうかはわからないけれど、
祖母は祖父とのあいだに
たくさんのこどもを産み、育て、
和菓子屋だった祖父を支えながら
戦前戦中戦後を生きました。
しかし先妻ののこした長男は、レイテ島で戦死。
長女は、戦時中になくなったそうです。
火災のさなかに、
長女が使うはずだった花嫁道具を載せた大八車が
盗まれたことが悲しかったと、
戦争も終わってずいぶんたってから
孫のぼくに話したことがありました。
後妻である祖母の生んだ
最初の男子はくりあげ長男になりました。
分校の教師になるために
大学へ行こうという年に、
病気で祖父が亡くなりました。
まだ小さな弟や妹もいたくりあげ長男は
ほかに選ぶ道なく、
祖父を継いで和菓子屋になりました。
それがぼくの父です。
ついこのあいだの日曜日、
祖母の墓参りに行きました。
(まる吉)さんのメールを読んで、
あの時代、おばあちゃん、
どんな思いでお嫁にきたの、
と、聞いてみたかったなって思いました。
もちろん、もう聞くすべもないのですけれど。 |