『ミュージック・アワー』
 ポルノグラフィティ

 
2000年(平成12年)

目の前にいるのに
どうしても話しかけられない。
でも今日で最後かもしれない。
(米)

淡い恋の端っこを決して離さなければ


「新歓、行きませんか?」
ある日、バイトに行ったら
後ろから突然そう言われてびっくりしました。
そう声をかけてくれたのは、この1年あまり
かっこいいなあと気にはなっていたけれど、
私からは話しかけられなかった人でした。

私はすごく無愛想で、人見知りで、
1年くらいやってきたバイトで行われる飲み会も
一度も参加したことがありませんでした。
その上、22歳になっても男の人がなんだか苦手で
自分からは話しかけられない。
もちろん声をかけてきてくれた彼とも
個人的に話したことはありませんでした。

そんな私に冒頭のお誘い。
すごくびっくりしてすごく嬉しくてすごく混乱して、
でもバイトを辞めようと思っていたところだったので
今さら新歓も‥‥と、返事をしたら
「じゃあ送別会も兼ねて!」
と言われ、参加することにしました。

新歓当日は楽しみで楽しみで
誘ってもらったお礼をちゃんと言おう、
なんて張り切っていましたが、
結局彼とはテーブルが離れ、
彼の近くに行く勇気も出ずに
一言も話せないまま終了。

帰宅すると、友達に電話で
後悔の言葉を聞いてもらう私がいました。

バイトを辞める前にお礼を言いたい。話してみたい。
そう思って彼の出勤日に雑用をしに行きました。
目の前にいるのにどうしても話しかけられない。
でも今日で最後かもしれない。
なんて、もんもんと考えながらツイッターで友達に、
「どうしよう!どうしよう!」と言いまくる私。
「話しかけなよ!今だよ!」という
友達の度重なる後押しに力をもらって
私は立ち上がりました。

「アドレス交換してもらえますか?」

それが1ヶ月くらい前の出来事です。
今は彼と1日1通くらいの割合で
メールのやりとりをしています。
そんなやりとりの中で教えてもらった
彼の好きなアーティスト。
その中で私の好きな曲です。
今まで「淡い恋の端っこを離し続けてきた私」が
初めてつかんだ「端っこ」。
恋愛経験皆無の私にはこれからどうなるのか、
どうすればいいのか分からないことだらけです。

不安で押しつぶされそうになりながら、
今日も私は彼からの返事を心待ちにしています。

(米)

おお、まさに、現在進行形。
メールをいただいたのは去年のことですが、
いまごろは、進展があったのかな?

しかし、我々、くちずさみ世代が集まって、
恋の話などすると、しばしば、
「オレらのときはケイタイなんて
 便利なものはなかったんだ」
みたいな「不便自慢」になるんですが、
そっかー、いまや、意中の人を目の前にして
ともだちからツイッターで
勇気づけられる時代なんですねぇ。

一方、ツールがどんなに便利になっても、
恋のはじまりのもどかしさやドキドキは、
まったく変わってないともいえますね。

ふるい小説には
「恋文」を待ちわびるなんて情景があって
そのうちそれが「電話」になって、
「ポケットベル」になって
「パソコン通信」が出て「PHS」や
「携帯電話」も普及して「メール」になって、
いまはLINEやFacebook?
なんか卓球の試合みたいになると
それはそれで風情もないように思うなか、
「1日1通くらいの割合」って
なんだかかわいくて、せつなくて、いいなあ。
ほんといまごろ、どうなってるのかな。

ちなみにぼくはわりとまわりでは
いちはやく携帯電話を買ったほうです。
そういう事情がありました。
「連絡がいつでも取れる(かもしれない)」
という状況がほしくてほしくてたまらなくて。
でもじっさいはそうカンタンなことでもなく、
なかったほうがずっとラクじゃん!
なんてことになりましたけど。

初めてつかんだ、その「端っこ」、
いまはどうなってるんでしょう。
うまくたぐりよせることができたのかな?
そうだといいなぁ。
いずれにしても、
「アドレス交換してもらえますか?」
と立ち上がった勇気に拍手!
いいぞ、青春!!

「がんばって気持ちを伝える」
「不安で押しつぶされそうになる」
「返事を待つ」
こういうことは、むかしもいまも、ですよね。
おんなじ。
だからそう、不便自慢はよくないです。
そのことはこのコンテンツに教えてもらいました。
ツールが増えて便利になっても、
恋が簡単になったりはしないのでした。
これからもずーっと、「難しい」んだと思います。
それが本気であればあるほど。

私はきのう、iPhoneアプリの
「友達を探す」の使い方を
教えてもらいました。

お互いに登録して許諾すると
その人がいま現在どこにいるか
地図上でわかるのです。

ものすごく近くにいたり、遠くにいたり‥‥。

これがあれば、恋愛は
あつあつにもりあがったり
やばやばになったりしますね。
オフにしたらしたで「なんで!」とモメそう。

つかんだ端っこは、急ぐことなく、
でも、踏み込むときはちゃんと踏み込んで
大事にしていきたい。
(米)さんがいまどうなってるかわからないけど、
恋は端っこをいちどつかめば、どんどん
つかめるようになりそうだ、とも思います。

恋の話のなかでも、
はじめの頃の気持ちの描写が
やっぱりいちばんいいなぁ‥‥。
1月が終わったら、2月のチョコのあれが
やってきますね。
自分用に買う女の人も、大好きです。
それではまた、次の水曜に。

2014-01-25-SAT

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