世界中の、かなわなかった恋の数と、
かなった恋の数を比べたら、
そりゃぁ、かなわなかった恋の数のほうが
多いんだと思います。
夢や願いもしかり、かな。
しかし、人々の恋や夢にまつわる話が
おおむね絶望的ではないのは、
確率や大小を超えて、
「よかったこと」を
きちんと人が重んじるからではないでしょうか。
つまり、10回恋愛して10回かなう、
なんてことを人は総合的にはもとめてなくて、
(そのときどきでは
かけがえのない1回だから
切実にもとめると思いますが)
最後にめぐりあった人や、
ある日、かなった小さな願いや、
かなってはじめて
「ああ、そう願ってたんだ」
とわかるようなささいな思いを、
「よかった」と芯からかみしめるので、
この世の中は、かなってない割合ほどには
ドーンとうちひしがれているわけじゃない。
意図せずまわりくどくなりましたが
(よくあることですが)
かなう恋は、しばしば、
ひょいとめぐりあうように思います。
世界中、ひとりひとり、ひとつひとつ、
そういうバランスで保たれてるはず、です。
まじめすぎる終わり方もなんなので
野球の話をつけくわえると、
イチローの生涯打率が三割五分だとしてさー、
彼は六割五分も凡退した選手だ、なんて
誰が言うのかっちゅう話です。
恋歌くちずさみ委員会、
次回は、ええと、土曜日の更新ですね。
それでは。 |