「同性を愛する」というお話は、
どうしてもその「同性である」という部分に
強いバイアスがかかるものだと思います。
それはもう、仕方のない、単なる事実として。
ところがここでは、
この「恋歌くちずさみ委員会」のなかでは、
「同性である」へのバイアスがふっとはずれて、
ごく自然に「恋の話」として読み手に届く気がしています。
「あ、同性なんだね」くらいの理解と感想。
そう感じるのは、たぶん自分だけじゃないと思う。
なんでだろう? とちょっと考えて、
やっぱりたどりつくのは「事実だから」という答えでした。
それは物語のために用意されたものでは当然ないわけで、
投稿者は素直に思い出を記してくださっただけなんですよね。
演出ではなく、事実。
書いてくださる本人がいちばん伝えたがっていることは
「同性である」ではなくて「切ない思い」である、
という、これもまた純粋な事実。
「絶対に悟られてはいけない」ことでも、
ここではフラットに、ぺたっと貼りつけられています。
たくさんのみなさんの大切な思い出と仲良く並んで。
そういう場所になったこと、ぼくは誇りに思っています。
まあでもそれは、とりもなおさず、
投稿者のみなさんの功績なのですけれど。
永田さん、ぼくの「とっておきのカセットテープ」はね、
TDK MA-R、メタルだったよ!! |