心を通わせることがなくなっていた二人が、
ある日、奥田民生さんの曲を、
いつの間にか二人で聴いてわくわくして‥‥。
ハッピーな展開をのぞむなら、
この曲をきっかけにして、
二人が互いを思う気持ちを取り戻す‥‥
ということなんでしょうけれども、
現実は、むしろ、逆だったんですね。
「体中で彼を拒否」していることを
お互いが、確認することになった。
恋に落ちた場面の描写、告白の克明な記憶、
真空パックしてある別れの場面、などなど、
いくつもの恋の場面がここには描かれましたが、
同じ家庭のなかで、ここまで
「気持ちが離れてしまったこと」が
表現されたことはなかったように思います。
それが、お互いの、そのときどきの気持ちや
心の揺れみたいな領域をとっくに超えて、
「どうしようもない事実」だということが
重く、リアルに響きます。
そういえば、奥田民生さんの曲は、
メロディーも歌詞も楽器も録音も
ふわふわと曖昧に浮いてるようなところがなく、
がっしりと噛み合っていて、
たとえ冗談のようなことを
歌っていたとしても、
「どうしようもなく現実的」ですよね。
印象的な投稿、どうもありがとうございました。
それでは、次回の更新で。 |