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 『いかれたBaby』
 フィッシュマンズ

 
2005年(平成17年)

毎日彼をおもって、
かけようとした魔法は
自分のためだったのかも。
(たら)

君は見えない魔法を投げた
僕の見えない所で投げた
そんな 気がしたよ


わたしと、その人はクラスメートだったけど。
付き合い始めたのは
すっかり遠距離になったあとでした。

その人はなんだか、
生活や心がいつも不安そうで。
せめて手だけでも繋げたらいいのに。
と、電話で毎晩言い合っていました。

言葉はかけてあげられるけど、
それだけじゃ全然足りない。
もっと暖かく、
包んで安心させられたらいいのに。

そんな風におもいながら、
よくきいていたのがこの曲です。

夜、惜しみながら電話を切ったあと、
ベッドから夜空にむかって、
「大丈夫だいじょうぶ。
 一緒だからゆっくり眠ってね。」
と、あの人に届くように、
魔法のつもりで考えました。

毎晩毎晩そうしていれば、
一瞬だけでもとどかないかと思って。

魔法が届いていたかはわかりませんが、
思いは伝わっていたとおもいます。

その日々が数年続き、
この春からその人は新生活をはじめます。

場所は、私が暮らすのと同じ街。
遠距離恋愛から、はじめての近距離恋愛です。

うれしいうれしい。

毎日彼をおもって、かけようとした魔法は
もしかして、この日が来ると信じたい、
自分のためのものだったのかもしれません。

だとしたら、魔法は、かかったんだなー。

(たら)

ああ、よかった。
「うれしいうれしい」が
子犬の表現みたいに
まっすぐ伝わってきました。

思いはいろんなものに
具体的に影響しますし、
思いがことばになったりすると
はっきりと効果がありますし、
そういう意味では、
やっぱり、「魔法」は、
あるんじゃないかなぁと思います。

夜空に向かって誰かを思うとき、
フィッシュマンズの曲は
とても相性がいいですよね。

きょう「干し柿が食べたいなあ」って思って
そんなことばっかり話していたら
取材先の初対面の人が
「はい、干し柿!」って、2パックもくれました。
魔法! きっとあの人、魔女!
‥‥って、そういうことではなくって、
魔法って、ありますよー。
まじめなはなし、こと、恋には、
きっとあると思ってます。
(たら)さんの場合、
「言葉だけじゃ足りない」
って本気で思っていたのもいいなあ。
体温が解決することってありますもんね。

12月になって、もうすぐクリスマス。
いろんなねがいごとが、かないますようにー。

中学のときに買ったおまじないの本に、
「片思いの場合、その彼に向かって
 あなたが好き! 好き!
 というテレパシーを毎日送ると通じます」
と書いてありました。
私は実践しなかったのですが、
友人がふたり、そのテレパシー作戦で
好きな彼から告白され、
おつきあいをはじめておりました。
離れたクラスの男の子もいたのに、
友人のテレパシーにノックアウトされていました。
中学生の私は、驚きました。
「そんな気持ち悪いテレパシー、よく伝わるな!」

でも、いまならわかります。
思いは、伝わります。
思ってなきゃ、だめです。
それはおっしゃるとおり、自分と相手と
両方にかかる魔法ですね。

(たら)さんの投稿を読んでいて思い出したのは、
「耳の痛さ」でした。
むかし若かったころ、
毎晩のように固定電話で話していたこと。
押し当てていた受話器で、耳が痛かったんです。
なーんて、ね。
そんな記憶がよみがえりました。

うん。
仲間の委員たちは、みんな同意見。
「魔法はある」と。
説明のつかないことだらけですよね。
だから、おもしろいし、うれしい。

そうだそうだ、クリスマスムード。
街にあふれてきましたねー。
投稿募集は終えましたが、
まだコンテンツは続きます。
クリスマス付近にも更新しますので、
しばしお付き合いくださいませ。
では、次は土曜日に!

2014-12-03-WED

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