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 『プラネタリウム』
 BUMP OF CHICKEN

 
2005年(平成17年)

もうすぐ卒業です。
それでいいと思います。
(りお)

本当に届くわけない光
でも消えてくれない光


寝る前に音楽を聴きながら
プラネタリウムを点けていたら、
ふと思い出したので投稿します。

二年前、中学二年生の時出会った彼。

二年生の頃は大嫌いでした。
皮肉屋で理屈っぽい彼に
きつく言われたりしたこともあって。

三年生になってから行事の準備で、
顔を合わせることが多くなりました。
CDを貸してもらって
メールをすることも増えました。

びっくりした。
思ってたよりもずっとずっと不器用で
優しい人でした。

貸してもらったCDの中に、
プラネタリウムという曲が入っていました。
なんだか星を見上げたくなって、
家庭用プラネタリウムを買ってきました。
帰り道、ずっと考えていたのは
彼に何てメールを打とうか。

「四畳半を広げたくてプラネタリウム買ってきたよ」
「へー。いいね」
と返信が来て
次の日には自分も同じものを買ってきた、
と報告をくれました。
「同じ空見上げてるってことだね」
「お前ってすごくいい事いうよな」

毎日のようにその曲を聴いていました。
毎日のようにプラネタリウムを点けました。
その度に彼のことを思い出しました。
曲もプラネタリウムも大好きだった。
でも一番好きだったのは、
同じ空見上げてるかもしれない彼だったのかもしれない。

その気持ちにずっと気づかないふりをしていました。
私の親友が彼の事ずっと好きだったって知ってたから。


「消えそうなくらい輝いてて
 触れようと手を伸ばしてみた
 本当に届くわけない光
 でも消えてくれない光」

私にとっては彼のことでした。


もうすぐ卒業です。
彼は多分他の女の子に第二ボタンをあげて、
私は多分他の男の子に第二ボタンをもらって。

それでいいと思います。
彼と私はただの友達だし、
私は、親友と彼の恋を応援している。
あの淡い恋心は私の心の中だけにしまっておけばいい。

でもできるならば、
彼も同じ曲をかけながら、
同じ空見上げてて欲しいな、なんて思います。
(りお)

この投稿が届いたのは、
2014年の3月3日のことでした。
「もうすぐ卒業です。」
そのことばが、とてもとても
大きな意味を持っていたような頃でした。

いまごろ(りお)さんも、
その淡い恋心の彼も、
高校一年生。
卒業のときボタンはどうしたのかな。
いまはどんなふうにすごしているんだろ。
高校は同じじゃないのかな。
伝えなかった恋のゆくえ、
どうなっているんだろ。
いっしょにプラネタリウム、
見たりしていないのかなあ。

ところでBUMP OF CHICKENの
「プラネタリウム」は
科学の本に書いてあったとおりに
手づくりしたものなんですね。
じぶんでつくれるんだ!

これから、バレンタインデー、
ホワイトデー、そして卒業式と、
学生時代の恋は、
否応なしにクライマックスへと
勝手にどんどん進んでいきます。
このまま保留でいいんだから
ほっといてよ、という恋も、
きっとたくさんあるんでしょうね。

その恋は、どうなったのでしょう。
すれ違いさえもできずに
友だちのまま二人は卒業したのかな。

かなおうとかなうまいと、
十代の恋は経験したというただそれだけで
そのあとの自分のありように
とてもとても大きく作用します。
その意味では、恋をしたというだけで
ひとまずおめでとうと言うことができます。
投稿、どうもありがとうございました。

BUMP OF CHICKENといえば、
「天体観測」という名曲もありますよね。
ほかにも星に関わる曲がたくさんのバンド。
ぼくのiTunesにも入っています。

前に書いたかもしれませんが、
転校が多かったぼくは「同じ時間に星を見よう」という
顔から火が出るような約束を女の子としたことがあります。
(りお)さんと同じ、高校1年のころ。
ぼくは福島、相手の女の子は熊本です。
1年以上、毎晩のように星を眺めました。
「なんで8時になると散歩に行くの?」
と母親に不思議がられながら。
人に話せば100パーセント笑われる話ですが、
当時は大真面目だったし
いまも心の根っこにある大事な記憶のひとつなんです。

ですから、(りお)さんにぼくは、
「同志よ!」という思いを勝手に感じてしまいました。
(ぜんぜん年齢がちがうのにねぇ)

毎日のようにプラネタリウムを点けた
(りお)さんのその思い出は、
恋のゆくえがどうなったとしても、
かならず、すばらしいものになることでしょう。

高校生活でも、あかるくたのしい恋愛を!

「四畳半を広げたくてプラネタリウム買ってきたよ」
というのがいいですねー。
同じプラネタリウムの空を見上げてる、
ということだったけれども、
だけどもですよ、
おふたりとも、いま、このときも、
同じ夜空の下を歩いておられるのです。

ほら、見上げてみましょう。

「あ、あのときの彼(彼女)は
 いま月を見てるかな」
なんて、お互いに
思っているかもしれません。

いろんな人が、いろんな人を思い浮かべて
元気かなぁ、なんて思っています。
恋は、人を
深く、親しくさせるものなのでありますね。
いやぁ、スンバラシイなぁ。

そろそろあれですね、バレンタインですね。
今週末も、恋歌、ございます。ではまた。

2015-02-11-WED

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