|
甲子園ファンのみなさま、こんにちは。
ほぼ日刊イトイ新聞の永田です。
最っっっ高でしたね!!!
今年の甲子園!!
いや、ほんとうにすごかった。
たのしかった。感動した。わくわくした。
どきどきした。冷房が効いた部屋なのに手に汗を握った。
じわじわ泣いた。ぽろぽろ泣いた。しばしば笑った。
オレはいったいどっちを応援しているんだと
自分で自分に突っ込んだ。
そして拍手した。感謝した。
テレビの前で、実際に立ちあがって拍手しながら、
ありがとうという気持ちになった。
このてのコンテンツで、
しばしば書いたことばをくり返すなら、
観ていた人、おめでとう!
そんな大会でした。
球史に残るというよりも、
自分の記憶に絶対に刻まれる大会でした。
観ていたあなた、ほんとうにおめでとう!
「今年、『おら夏』があれば最高だったのに!」
というメール、たくさんいただきました。
ほんとうにありがとうございます。
なにより、ぼく自身が強くそれを思いました。
たとえば早実の斎藤投手がはじめて
四つ折りの青いハンカチを取り出して
丁寧に顔の汗をぬぐったとき、
「うわ、誰かと語りたい!」とぼくは思いました。
鹿児島工の今吉くんの
強烈なキャラクターはもちろんのこと、
彼の腕に点々と貼られている絆創膏のようなものについて、
「ねえ、あれはなんなの?」
と誰かに問いかけたくなりました。
(試合後の彼らのなんと晴れやかだったこと!)
関西のダースくんの試合後のコメント、
「もう一度、高校野球がやりたいです」
を聞いて感じた感動を、
ほかの誰かと共有したくなりました。
駒大苫小牧の田中投手の顔はよく見ると、
TOKIOの松岡さんの要素が
微妙に入っているのではないかと思い、
周囲の人に実際に言ってみたりもしましたが、
即座に否定されてしまいました。
八重山商工の監督と大嶺くんの
親子のような関係を微笑ましく思う一方、
「金城長靖」というフルネームで呼びたくなる名前について
誰かとあれこれ話したくなりました。
どの試合だったか忘れましたが
試合中に強い雨が落ちてきて
バックネット裏で観戦してた人たちが
大慌てでカッパなどを着はじめたときは
試合の進行を忘れて笑ってしまいました。
福知山成美のサイドスロー、
駒谷くんの制球にしびれました。
大阪桐蔭、中田くんのフルスイングのすごさについて、
今治西の宇高くんの打球の速さについて、
日大山形の粘りはもちろん
「ボーイズビーアンビシャス〜」と
意表を突いてカタカナからはじまる校歌について、
あるいは今年の甲子園はなぜホームランが多いのかという
自分なりの分析について、
『熱闘甲子園』が試合メインの構成になって
とてもよかったと思ったこと、
あ、そうそう、静岡商の1試合9犠打!
そんでもって2年生投手のあの笑顔!
再試合となった決勝戦の駒大苫小牧の応援席にいた
去年の対戦相手、京都西の選手たち!
鹿児島工の監督の号泣っぷり!
どちらが勝つかほんとうにわからなかった
智弁和歌山と帝京の準々決勝のすさまじさ!
などなど、もう、ほんとにきりがないほどに、
いろんなことをいろんな人と語り合いたくなりました。
そのように「おら夏」がないことを
他人事のように残念に思う一方で、
ひじょうに個人的かつ勝手な感想を
書かせていただくとすると、
今年の甲子園をぼくはものすごく
じっくりとゆったりとたのしむことができました。
たとえば、今年のお盆を、
ぼくは久しぶりに実家で過ごすことができました。
甥っ子や姪っ子と遊んだりしながら、
実家の居間でゆるゆると観る夏の甲子園は
なんだか妙に懐かしく、格別な思いがしました。
何試合かは、自分と同様に
野球好きである父親とともに観ました。
テレビの前で父とともに座り野球を観るのは
ずいぶん久しぶりのことでしたが、
父の野球の観かたとぼくのそれが
ひどく似通ってることを発見して苦笑しました。
たとえばある打者が初球の甘いストライクを見逃した瞬間、
ぼくの「いまのを打たなきゃ!」と
父の「それを打たなきゃダメだ」が
同時に発せられてたりするんですよ。
思えば幼いころからぼくは
野球好きの父の横で野球を観てきましたから、
そういうふうな野球観が共通しているのは
当然といえば当然のことなのかもしれません。
父親から具体的に受け継いだものは
とくにないように感じていたぼくですが、
こういうことってじつはすごく多いのかもしれないなと
甲子園を観ながらあらためて感じました。
もし今年も「おら夏」をやって
東京でたのしく忙しく徹夜しながら観ていたら、
こういうことに気づくこともできなかったと思います。
こういう言い方はちょっと変かもしれませんが、
今年は休ませていただいてよかったなと思いました。
ああ、ちょっと挨拶するつもりが
なんだかずいぶん長く書いてしまいました。
すいません。
最後に、「来年は絶対やります!」というふうにまとめると
締めのことばとしては美しいのかもしれませんが、
来年の仕事の状況がわかっていないなかで
そのような軽はずみな約束をすることはやはりできません。
むしろ、見通しとして正直に書くならば、
お盆休みのあるこの時期に
ほかのスタッフも巻き込んであれをやるのは
やはりそうとうむつかしいことだとも感じています。
とはいえ、すごくバカバカしいまとめ方をすると、
やっぱり、とにかく、甲子園はおもしろいぜ、と
強く強く再確認したぼくでした。
去年の常連投稿者だったみなさんから、
「今年の『おら夏』はないと知っていますが‥‥」
というメールが何通か届きました。
うれしかったです。ありがとうございました。
また、去年の「おら夏」があったからこそ
今年の甲子園もたのしむことができたという
たいへんうれしいメールもいただきました。
ほんとうにありがとうございます。
なんにしろ、今年の甲子園、
すごかったですね!
たのしかったですね!
まだまだ、そういった話を
だらだらと続けていたいのは山々ですが、
ぼちぼち締切の時間も迫ってきたので
このあたりで終わりにすることにします。
どうもぼくは好きなものについて書くと
長くなってしまっていけません。
来年の甲子園もたのしみです。
また、どきどきしながらテレビの前に座りたいですね。
それでは、残りわずかですが、よい夏を。
例のテーマソングを口ずさみながら、終わります。
♪くーもーはーわーきー、ほにゃららほにゃにゃ〜。
2006年8月22日 ほぼ日刊イトイ新聞・永田 |
|
|
|