クマちゃんからの便り

杜のなかの対数<11月7日ブログより>

プロフェッサー・WARAGAIから
しばらく音沙汰がなかった。

「先日、友人と田町で呑んで」
オレが高知で作った<ウツロウ>を論じ、
今は集中して論文を書いているというメール。

オレのオブジェを話題に酒を呑む物理学者と数学者、
イイ場面じゃないか。なんだか嬉しくなる。

釣った鯛を下げてフラフラの酒呑みの宴を
傍聴したいものだが、
そのうちにそんな機会があることを期待して、
とにかくプロフェッサーがヘルニアを克服したのは
なによりである。

「対数は<掛け算>を<足し算>に直す
 数学的装置だけど、
 実は何もそんなことをしなくとも
 <掛け算>を<足し算>に直すことは出来ます。
 (a+b)の自乗と(a-b)の自乗を考え、
 abを表現し、
 それにより実際に計算が簡単になることを
 実感せよ、です」

と結んであった。

早朝の新幹線で<図形>の復習しながら
美濃焼の駄知地区へ。
ここの窯を使ってのオレのテーマは
<牧畜とヤキモノ>である。
切っ掛けを探して、
廃業していった大手の窯場がある小さな町を彷徨く。

気がつくとうっそうとした鎮守の杜のなか。
古いお不動さんの小さな祠があった。
滝から汲んだ水と燈明をあげ、二礼二拍手一礼。
まず手始めにこの小さな祠の瓦と
小さな灯籠を焼いてみるか。
やっぱし水と火を侮ってはイケナイ。

「ネイピアの頃には知られてないし、
 対数表を作ったケプラーも
 この関係は気にしなかったようだ」

WARAGAI氏のメールに
目まいするようなジカンを感じた。




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2006-11-08-WED
KUMA
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