尻が傷んでいた桃を棄てたら、 さっそく現れたカブトムシが食らいついていた。 メスのカブトムシはズンズン這入りこんで 一晩中、桃源郷のなかで過ごしたようだった。
朝になると桃は種だけになり、 5センチずれたところで 赤い山蟻が盛り上がって カブトムシは埋まっているようだった。 蟻の隙間から出た肢を動かしてはいた。
もう朝の位置から10センチほど夕方になっていた。 カブトムシの腹が波打っていた。まだ生きていたか。
腹の中に赤い山蟻がつまっていて、 桃の味がするカブトムシの内部を 貪っているのだろう。
[山岳は死にながら生きている]
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2008-07-31-THU