たかしま |
なにか、聞きたいことはありますか?
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あーちん |
えっと‥‥
絵を描いてるときに、お母さんに
なんか言われたりしたこと、ありますか?
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たかしま |
子どものころに?
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あーちん |
そう。
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たかしま |
わりとほめてくれたかなぁ。
「上手に描けたね」とか。
たまに「はやくごはん食べちゃいなさい」とかも
言われたけど(笑)。
あーちんのお母さんも、ほめてくれるでしょ?
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あーちん |
うん。
お留守番中に描いて、帰ってきて見せると、
「あー、すごいねぇ」って。
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たかしま |
うれしいよね、ほめられると。
また描きたいなって思うしね。
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あーちん |
うん。
『ブタフィーヌさん』は
アイデアがすごいなぁって思います。
「乙女この上なし」の歌で、
発泡スチロールにのって
パンあげてるのが歌詞になってたり、
夢の中の話でワルフィーヌになったり‥‥。
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たかしま |
ああ、ありがとうございます。
よく知ってるねぇ。
ああいうのを描くときは、
「ほとんどの人が気づかないだろうなぁ」
と思って描いてたんだけどね。
「みんな気づくかな」みたいな感じで。
そういうのってたのしくて。
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あーちん |
くまおもたまに。
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たかしま |
やってる?
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あーちん |
気づいてくれないかもしれないけど、
そういうの置いとく、みたいなのはあって。
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たかしま |
そうそう、ぼくもおんなじ。
ちょっといたずらみたいにたのしいよね。
気づくかなぁ、気づかないかなぁ、
みたいなのがね。
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あーちん |
そういうしかけだと、
「串カツの木」っていうのがあって、
よく見ると、串カツの形をしてる木を
ときどき描いてる。
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▲『くまお』その16より |
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たかしま |
え、それは気づいてなかったかも。
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あーちん |
串カツの木は、モデルがあるんです。
でも、ほんとにあるのは、
「クリームコロッケの木」とか
「あーちんの木」なんだけど。
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たかしま |
ほんとにあるって?
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あーちん |
下北沢に行く道に
クリームコロッケそっくりの木が
わーってならんでるんです。
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▲クリームコロッケの木 |
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たかしま |
コロッケじゃなくて、クリームコロッケ。
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あーちん |
最初は、コロッケって思ったんだけど、
こう、形が、「もーん」ってなってたから
クリームコロッケ。
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たかしま |
「もーん」(笑)。
クリームコロッケのほうが
ちょっとまるいもんね。
「あーちんの木」っていうのは?
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あーちん |
あーちんの頭に似てる木。
髪型とか似てて、ちゃんと耳もある。
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▲あーちんの木 |
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たかしま |
へぇー、おもしろい。
いろんな木を観察してるんだね。
そういうのを見て、串かつの木を思いついたの?
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あーちん |
そう。
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たかしま |
じゃあ散歩からヒントを得てるんだね。
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あーちん |
そうかもしれない。
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たかしま |
「気づくかな?」っていうものを描くとき、
ニヤッとしながら描いてる?
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あーちん |
っていうか、なんか、顔を描くときって、
なぜか、描いてる顔と
おんなじ顔になっちゃうんですよ。
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たかしま |
わかる!
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あーちん |
ニコニコ顔のキツネを描いてるときだったら、
口が「ニィー」ってなってたり、
「ホオー」ってなってたり。
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たかしま |
笑ってるところを描いてるときは、
笑いながら描いてるんだ。
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あーちん |
うん。
大口あけて笑ってるところを描いてたら、
口が「わぁぁぁー」ってなってる。
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たかしま |
そのキャラクターの気持ちになるもんね。
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あーちん |
自然となる。
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たかしま |
自然とね。 |
(つづきます) |