すずかぜ・いたる。 お盆が近いので そろそろ秋を感じようよ、って ことだと思うんです。 日は短くなっていきますしね。 |
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── | 日に日に釣瓶落としに向かって。 |
この頃の旬のやさいは、西瓜ですね。 江戸の話なんですが、 江戸時代のはじめ頃は 上の身分のかたは 召し上がらなかったらしいですよ。 お侍さんとか。 |
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── | ハラキリに見えるからかな? |
『飲食事典(*)』には 庶民や、武士階級でも人足というか、 雑用係のような身分の「中間」(ちゅうげん)が 食べていたという記述があります。 江戸の後半くらいから、 身分を問わず食べるようになったみたいです。 *平凡社 1958年刊 |
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── | 時代劇でお侍さんがシャクシャク食べてるのは もしかしたらおかしいわけですね。 京都の人はいかがですか。 |
西瓜はふつうに食べましたけどね。 西瓜といえば、塩をふって 食べる人がいましたよね。 |
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わたし、塩で食べます。今でも。 ちょっと甘みが足りないなって思ったら塩を。 |
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うち、おじいちゃんが それやってたんですよ。 子どもごころに それはおいしいのかって思っていました。 一回、辛くしてから甘くするっていうのが 理解できなかったんです。 |
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しょっぱさは甘みを引き出すんですよ。 |
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ってことなんでしょうねえ。 うちね、麦茶も塩入れてたんですよ。 |
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麦茶に砂糖は入れてましたけど。 |
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── | 中間の静岡ですが、砂糖を入れてました。 |
松本出身の祖母の習慣かもしれません。 でも、京都は塩? |
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ぼくはふつうだと思ってたんですよ。 |
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── | 理にかなってますよね。 夏は汗をかくから。 |
けれども、小学校の時に、 遠足で友だちに麦茶あげた時に、 「なにこれ塩辛いやんかー」 みたいなこと言われて すごくショックを受けたのを 覚えているんですよ。 |
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や、それ京都の習慣っていうより 京おとこさんの家の習慣じゃない? |
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や! ほかにもやってるとこ あったと思いますよ、たぶん。 |
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── | 麦茶って江戸時代にあったんですか。 |
「麦湯」っていうのが 江戸時代おわりごろには 売られていたはずです。 |
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── | 麦湯って時代小説でよく目にしますよね。 |
たぶん麦茶と同じものだと思いますね。 |
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粉で思いだしたけど 京都のグリーンティは ぼくは好きでしたねえ。 |
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粉茶ですね。 |
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── | 夏は冷たくして飲む。 甘くして飲みました? |
もともと砂糖が入ってるんですよね。 |
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── | 静岡でもあります、それ。 「うす茶糖」っていうんですけど。 |
東京で見ないですよね。 あれはサミシイなあ。 旬のやさいでいうと、 ぼくはオクラを初めて食べた時 衝撃を受けましたよ。 |
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── | オクラはそんなに昔 食べてなかったですか。 京おとこさんは昭和44年生まれですよね。 |
小学校の中学年か高学年で 突如現れたんですよ。 こんなネバネバした食べ物があるのかと。 |
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オクラ、 日本語じゃないんですよね。 英語なんですよね。 |
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── | ホテルオークラ? |
それは大倉財閥ですね。 ともあれオクラは 江戸時代の日本にはなかったはずです。 資料には出てこないです。 |
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旬のさかなが皮剥なんですよね。 皮剥って冬のイメージありますよね。 |
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旬は夏なんです。 第2の旬が冬。 冬のほうが肝はおいしいですよね。 |
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── | ありがとうございました。 次回は「寒蝉鳴(ひぐらし・なく)」。 8月12日にお会いしましょう。 |
2012-08-07-TUE |