紅色の染料や食用油をとるために栽培されるベニバナは、 古代エジプト時代から染料として利用されていたようです。 日本でも、『万葉集』にすでに 「末摘花」としてその名が見られます。 この頃に橙色の花をつけはじめ、 日が経つにつれ花の色は濃い紅に変わります。 一面のベニバナ畑は夏の風物詩ともいえるでしょう。
── 「梅子黄」。
まさしくスーパーには
いま梅の実が並んでいますよ!
あすま女 梅酒を漬ける季節ってことですね。
京おとこ あ、そういうことですか。
── そういうことです。
「梅の実が薄黄色く色づいてきます」
「梅干しや焼酎漬けなど、
 多種多様に利用します」
「『梅雨』という言葉は、
 梅の実が熟す頃の雨という意味で、
 『つゆ』『ばいう』と読みます」と。
黴が生えやすいので、
「黴雨」と書いて「ばいう」と
読むこともあるんだそうです。
あすま女 「黴」って「ばい」って読むんですね。
── 「ばいきん」の「ばい」ですね。
梅雨、ほぼ7月いっぱいだから
2カ月近くありますねえ。
メキシコ出身の女の子は
「雨期だ、雨期だ」と言っています。
雨期? って。
京おとこ まぁ、確かに長いから
雨期っていっても
いいかもしれないですよね。
── 「雨期と梅雨の違いはなぁに?」
って言われて答えられず。
風情が違うんだよとしか(笑)。
京おとこ こっちは雨に梅まで
入れてきてるんですからね。
あすま女 スコールじゃないし。
── 思えば日本、秋だって雨期ありますね。
春だってある。
しょっちゅう降ってるから。
そんなもやもやした季節ですが、
旬のたべもの、いいですよ。
「海鞘(ほや)」。
京おとこ 海鞘ね!
あすま女 ほやほや~。
でも家では料理しないですね。
── お店ですよね、これ食べるの。
あすま女 でも三陸のひとは
するって言ってました。
買ってきて家でちゃんとやるって。
京おとこ 鮮度の高いのを食べると
本当に臭みがないですよね。
東北へ仕事で行くことが増えて
それは感じます。
八戸だと「いちご煮」といって。
あすま女 ああ、いちご煮ね!
京おとこ 海鞘となんでしたっけ。
あすま女 海胆も入るのでは。
京おとこ ああ! 海胆と鮑でしたね。
あすま女 海の香りですね。
── そう、海そのものですね。
「堅い外皮を切り開いて
 肉を取り出し、
 内臓を除いたものを用いる」と。
海鞘の内臓って
何かに使わなかったっけ。
あすま女 このわた?
京おとこ このわたって海鼠の。
あすま女 あ、海鼠?
海鞘はなんだ?
いや、何かありますよ。
海鞘の塩辛とこのわたを和えた
莫久来(ばくらい)とかいうやつ、
確か。
京おとこ ああー!
── 「このわたとともに塩辛にしたものを
 莫久来という」と書いてあります。
あとは、酢の物、焼き物、
‥‥フライ?
あすま女 フライ~? 焼く~?
── てことはパスタにもなる?
どうなんだろう。
あすま女 ご飯のおともって
感じじゃないですものね。
── おかずじゃないですね。
てことはパスタも合わないか。
やっぱり日本酒か白ワイン!
京おとこ 酒を飲まない人は
全然おもしろくないでしょうね。
あすま女 ふふふふふ。
── なんと海鞘は
ワールドワイドらしいですよ。
「日本、韓国、フランス、チリなどで
 食材として食される」。
フランス料理の海鞘、どうするんだろう?
そういえばフランスの
シーフードプレート、
fruits de merでしたっけ。
海鞘の小さいのが乗ってますね。
あすま女 烏賊や蛸を気持ち悪がる人たちが
よく食べますね。
京おとこ 「海のパイナップル」とはいえね。
そういえば東北新幹線の仕事で乗る時、
ちっさい海鞘売ってますよね。
ワゴンに入れて。
あすま女 おつまみ。
── へえ、
今度買ってみよう、気仙沼行く時。
京おとこ 必ず東北新幹線で売ってます。
── そういえば、気仙沼のキャラクターは
「ホヤぼーや」。
京おとこ そうですよね。
あすま女 あはははは。
── ああ、海鞘。
海鞘食べたい。
でも海鞘でおなかいっぱいには
したくない。
京おとこ あんまりたらふく食べるというものじゃ
ないですよね。
── やっぱり珍味ですよね。
さて! そしてくだもの、
もちろん「梅」でございます。
梅干しはめんどうでも、
梅酒はかんたんだから、
やってる人多いですよね。
あすま女 梅干しは大変なんですよね。
── それが、梅干し、40代を超えた女性は
チャレンジし始める気がします。
40代超えた男子は
ダジャレにいくんですけどね。
保存食とダジャレは、中年の友です。
京おとこ あははは!
── 最近は伊藤まさこさんとかが
梅のシロップを紹介して
だいぶ流行りましたね。
お砂糖と梅だけで作るシロップ。
あすま女 お酒使わないんですね。
── そうそう、それで夏にいい、みたいな。
酵素ジュースみたいな感じですね。
あすま女 疲労回復に効くんだ。
── そうですよね、きっと。
梅はクエン酸があるから
一気にからだが楽になりますよね。
海外旅行に梅干しを持って行きますしね。
一同 (笑)
── これね、食べたいというより
疲労回復。
京おとこ 薬代わりですね。
── そう、薬代わり。
ほんっとによくできてる。
あすま女 なるほどね~。
でも本当に腹下しにも効くのか
ちょっと気になるんですけど(笑)。
── 殺菌能力はありますけどね。
あすま女 あるんですかねえ。
── 梅干し入れるとおむすび
大丈夫だし。
本当は炊き込んだ方が
いいらしいですよ。
あすま女 ほー。
── あとから入れてもその周りだけ効くけど
全体には及ばないらしいです。
あすま女 そうですよね(笑)。
── そりゃそうなんです。
ま、ないよりいいかな。
食べ合わせはどうなんでしょう。
梅干しと鰻?
あすま女 鰻か。
まあ、一緒に食べないけどねえ。
── おいしくないですもん。
あすま女 ねえ。
やっぱり奈良漬けですよね、鰻は。
なぜか。
京おとこ 梅と鰯はよく合いますよね。
あすま女 梅と鰯ね!
京おとこ ところで和歌山の方の梅で
一粒2千円とか3千円とかの
梅干しあるじゃないですか。
あすま女 南高梅。
あれ、おいしいー。
京おとこ なぜあんなに高いんですかね。
希少なんですかね。
あすま女 梅そのものがいいんですかね。
そもそも。でっかくて。
京おとこ その木だけですごいお金になるんですね。
── そうでしょうね。
梅干しはしょっぱいのがお好きですか。
最近の蜂蜜の入った‥‥。
京おとこ ぼくはしょっぱい方が好きです。
── しょっぱ派です。
あすま女 あんまりしょっぱすぎるのも
ダメだけど。
── かといって、甘いのはちょっと。
あすま女 南高梅もおいしいんだけど
たまに、梅酒漬けの梅か、これは、
みたいな甘いものもありますよね。
京おとこ 塩分を摂り過ぎるのは
いかがなものか、
っていうことなんですかね。
あすま女 健康志向かもしれないですね。
── 「減塩」って書いてありますものね。
そういうのって。
でも和歌山などでも
生産農家ではすごくしょっぱく漬けるのが基本で
出荷した後に業者が
塩抜きして蜂蜜漬けにしたりするんです。
あすま女 おおー。
そうですよね、
塩多くしないとカビますもの。
── そうですよね。
さて、もうひとつ「海胆」が。
海鞘と海胆いっぺんですよ。
もう大変ですよ。
京おとこ 今は「じぇじぇじぇ!」でしょ、
やっぱり。
あすま女 海胆は夏冬両方あるんですね。
── 海胆ね、いろいろあります。
夏の北海道もありますよね。
あすま女 青森のテレビ見ていたら
牛乳瓶にどっちゃり詰めて
朝市で売ってるおばちゃんが。
牛乳瓶でズズズッと。
── わあ、いいなあ。
京おとこ おおー。
── 函館の朝市で
海胆でトラウマな経験をしましたよ。
なかなか押しの強いおばちゃんがですね、
「わたしの若い頃はこうやって
 食べたものよ」って言って
海胆に手をつっこkんで、
指ですくって「あーん」と
食べさせてくれたんですよ‥‥。
京おとこ
あすま女
ああああー。
── 熟女が。
あすま女 素手で(笑)。
京おとこ おとな‥‥。
海胆をたっぷり食べると
大人になった気がしますよね。
── まあその体験はそういうことではないですが、
たしかに、します!
京おとこ 門前仲町の居酒屋で
箱で頼んで食った時には
こりゃ大人だな、って(笑)。
── 木のへらでこう。
あすま女 海胆、箱買い(笑)。
京おとこ 赤福みたいに食うんですよ。
── 海胆はうまいもんねえ。
あすま女 おいしい、おいしい。
案外、瓶詰めも好きですよ、わたし。
京おとこ わかります、わかります!
── 大好き~。
それは別でおいしい~。
京おとこ ぼくはあれの薬品な感じが好きです。
アルコールのね。
── ご飯がすすんでやばいですよね。
あすま女 生海胆と比べると
とても同じものだとは思えないですけど(笑)。
京おとこ 別の商品としてうまいです。
── アスパラの缶詰みたいなもので、
あれはあれで、っていう世界。
あれも嫌いな人がいるんでしょうね。
海胆は世界中食べますか。
イタリアは食べますよね。
京おとこ パスタですよね、それこそね。
── 「ギリシャ、地中海、
 ローマ帝国以来の伝統の食材。
 フランスなどでは
 オムレツに入れられる。
 ニュージーランドでは
 生食やパイなどの形で
 食用に利用される」。
やっぱり海胆のうまみは
わかるんですね。
オムレツに入れるなんて、
それはもったいなくないか!
あすま女 でも、おいしそ~。
── フランス料理だと
冷たくしてジュレに入れたり。
ありがとうございました。
次回は「乃東枯(なつかれくさ かるる)」。
6月21日にお会いしましょう。
2013-06-15-SAT
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