── | 夏至がきました。 夏至とは「冬至とは逆に、一年でいちばん昼が長く、 夜が短くなる時期」ですと。 梅雨の盛りでもあるわけで、 「気温の面ではまだ真夏という感じはしませんが、 日照時間はこれから冬に向かって 少しずつ短くなってゆくのです」と。 日照時間は長いけど、 まだ暑さのピークではないんですね。 そんな季節の七十二候は 「なつかれくさ・かるる」。 |
むつかしいですね。 |
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── | むつかしいですね。 乃東(だいとう=なつかれくさ)は 冬至に芽を出し、 夏至に枯れちゃうんですね。 夏に枯れる草が枯れるってことは、 夏草が生えるということですね。 ああややこしい。 |
そういうことですね。 でも夏枯草自体が身近じゃないから よくわからないですね(笑)。 |
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暑くなって枯れるんですかね。 気分的には 「やってられない!」みたいな(笑)。 |
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── | こういう言い方した方が 涼しい気がするからかな? ちなみに東京のあたりの 夏至の日没時間は19時2分頃。 |
ああ、いいですねえ。 日が長くなると幸せな気分がします。 |
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── | 仕事が終わった後、 そぞろ歩きしても明るいっていうのが 最高なんですが、 こういう仕事をしているとなかなかね。 |
そうですよぉ。 |
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── | だいたい暗くなってからじゃないと 帰れなかったりしますが、 それでも、いいなぁと思いますね。 ビール飲みに行こうかなんて 言っている人を見るのも、いい。 |
この俳句もそれを受けているのかな。 そういうわけじゃないのか。 |
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── | 「冷酒や はしりの下の 石だたみ」 ‥‥関係ないですね(笑)。 |
一人暮らしの感じ? はしりというのは台所の流し。 其角の句ですけど、この荒くれた感じが なかなかいいですよね。 |
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── | さて、冷酒に合わせるのは、旬のさかなです。 |
そのにょろにょろしたものは‥‥。 |
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── | 「太刀魚」ですね。 太刀魚大好き~。 太刀魚うまい~。 塩焼きもうまい~。 きれいですよね! |
そうですか。 太刀魚って、あんまり パッとしないイメージが あるんですよ。 |
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焼き魚でしか食べないですよね。 |
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そう。焼き魚で食べて ちょっとぼんやりした 印象が強くて。 |
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── | あれ? 太刀魚感にずいぶん差が。 味も独特だし、すごく好きですよ。 |
いいですか。 |
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太刀魚ね。キラキラ。 |
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── | どこで主に食べているのでしょう。 |
地方性ってありますか、太刀魚。 |
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── | 全国じゃないかな。 |
韓国の市場にも いっぱい並んでいるのを 見た気がします。 |
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── | 骨が意外とすごいんですよね。 |
ごついですよね。 あ! 思い出した。 ぼく一回喉に刺さったことがあって それでイヤな思い出があるんですよ。 |
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── | ああ、それは痛い。 |
太いんですよ。 |
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── | 取りやすいんですけどね。 うっかり食べたら危険です。 胃に入ったら 穴開いちゃうんじゃないか っていうくらい。 太刀魚、気をつけましょう。 でも、うまいですよ。 |
泳いでいるところも きっときれいでしょうね。 |
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── | 「体表には鱗がなく、 その代わりに全身が銀色に輝く グアニン質の層で覆われている」と。 しかも「模造真珠の塗装に使われる」と。 セルロイドに練り込まれたりとかしてキラキラさせたり マニキュアに入っていたりするそうです。 |
鱗がないっていうのは ちょっと意外でしたね。 鱗がない魚っているんですね。 |
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── | ぜひこの夏は太刀魚を! そしてやさいは 「蚕豆(そらまめ)」です。 |
おいしいですよね。 枝豆よりも蚕豆が好きです。 |
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わたしもそうです。 こどもの頃は逆だったのに。 |
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── | ちょっと臭みがあるからでしょうか。 ぼくは子供の頃から圧倒的に蚕豆派でした。 あの臭みがたまらんかったです。 |
茹でですか、焼きですか。 |
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── | 昔は、茹で、だけでしたね。 最近は焼きますね。 莢ごと焼いて黒こげにして 中を出すっていうのがいいですね。 |
あれがおいしいですよね。 皮も食べられる。 |
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あと、内側についている 白いのいいですよね。 こそいで食べるの。 |
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ええっ!? 食べるんですか、 あのフワフワしているところ。 |
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わりと好きです(笑)。 |
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あらら、食べたことないです! |
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── | ぼくも食べたことない。 |
あ、そうですか(笑)。 |
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なんかエグそうな。 |
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いやいや。 |
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── | 全体、豆ですから 食えるんでしょうけど。 苦くないですか。 |
苦みも含めて なんかいいかなと思って。 |
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── | そうなんだー。 |
初めて聞いた。 |
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ぜひ一回試していただければ(笑)。 |
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── | 蜜柑でね、あのフワフワを 食べることはありますけど。 |
あの筋みたいなの。 |
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── | あ、そう。 それは知らなかったなあ。 |
ほんと、知らなかった(笑)。 |
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何かの拍子で 店の人にすすめられて こそいで食べたら 確かにこれイケるなと。 甘さと苦さがちょうどあって。 焼きの時だけかもしれないですが。 |
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── | そういえばテレビで 長寿遺伝子の研究の番組をやってて イタリアだったかな、 どっかの長寿の村っていうのがあって そこでは蚕豆の臭いをかぐと 気持ち悪くなる人がいるんです。 その人たちは長寿遺伝子を 持っているっていう 不思議な結果が出てました。 |
へえー! |
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── | だから、その村では蚕豆は パックしないと売っちゃいけない。 気持ち悪くなっちゃうから。 サルディーニャ島だったかな。 といってこれが アンチ長寿の食べ物ってわけじゃ ないらしいんですけど。 |
なぁるほど。 なんだろうね。 |
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── | 謎でしょ。 ところで蚕豆の粉で作った落雁は 鳩サブレの店で売っていて けっこうおいしいですね。 |
もしかして鳩の形してるの。 おいしいですよね。 |
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── | 「小鳩落雁」。 |
味が濃いですね、豆の。 |
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── | そうです、そうです。 ちゃんと蚕豆の味がするんですよ。 そして、くだものです。 いよいよ出ましたよ。 「杏」ですよ。 |
梅と時期が近いですね、やっぱり。 |
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── | 梅雨が始まってちょっとすると 杏の時期だね、ってなるんですよ。 杏はジャムがうまいですね。 これはジャム界の、王様? |
そうなんだー。 確かに生の杏はすっぱいですものね。 |
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── | 種を割ると白いのがあって、 これが「杏仁」です。 あんにんと読むと製菓材料、 きょうにんと読むと漢方薬でm 「咳止めや喘息」に用いられるらしいです。 |
ことしは杏ジャムつくろうかな。 |
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── | それが! ことしは長野が冷害で不作だそうで、 例年の3割程度しか 出荷がないかもしれないんだそうです。 |
あらっ! |
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── | ほかの地域は大丈夫なのかな? ともあれ例年より少ないので、 青果店でみかけたら、 迷わず買うことをおすすめします。 |
そうしまーす。 |
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── | さて、季節のたのしみは、 竹が酔う日と書いて「竹酔日」(ちくすいじつ)。 |
これもあんまり東京では聞かないかも‥‥? |
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── | 奈良の大安寺で竹供養があるそうですよ。 「生活に密着してきた竹に感謝し、 青竹を供養する」と。 「笹酒がふるまわれ、 がん封じの効果があると いわれています」。 笹酒っていいですよね。 |
笹酒ね、うん。 |
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── | 笹というか竹の香りが。 |
竹で飲むというのが風情がありますね。 |
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── | いいですよね。 この季節にぴったりな気がします。 ということでありがとうございました。 次回は「菖蒲華(あやめ はな さく)」。 6月26日にお会いしましょう。 |
2013-06-21-FRI |