21世紀の
向田邦子をつくろう。

■「久世塾おぼゑがき」5号
 ドラマの中の大阪弁


連載初回でチラッと書いたと思いますが、
何を隠そう僕は大阪人なのです。
従って大阪弁にはちょっとうるさいんです。
そんな僕が最近うれしく思っているのが、
ドラマの中での大阪弁の使われ方です。

以前は「そんな変なイントネーションないで!」とか
「今どきそんなんゆえへんがな…」と、
思わず画面に向かって
ツッコんでしまう場面が時折あったのですが、
最近のドラマではかなり改善されてきたように思われます。

少し前までの東京制作のドラマでは、
聞いていて思わず背中がムズムズしてくるような
“エセ大阪弁”を使う登場人物が数多くいました。
そんなドラマを見てしまった時の
大阪人の気持ちはといえば、それはもう非常に複雑でして、
例えていうならば、「007は二度死ぬ」や
「東京暗黒街・竹の家」(誰も知らんか?)といった、
日本を舞台にしたムチャな外国映画を見た時の
日本人のような気持ちといえば、
分かる人には分かってもらえると思います。

昨今のテレビにおける大阪弁復興には、
さんま・紳助・ダウンタウンといった
吉本系の芸人さんたちの
全国区での活躍が影響されているのかもしれませんが、
いずれにせよ大阪弁を愛する者にとっては
喜ばしい限りです。

そんな僕が最近
「うん、いい大阪弁使ってますね!」と
感心しながら見ていたのが、
3月にNHKで放映されていたドラマ『ただいま』。
主人公の石田ひかりをはじめ、
加藤雅也・藤竜也・竹下景子・雛形あきこ他(敬称略)、
大阪人として登場するすべて(一部除く)の役者さんが、
「なんてナチュラルなんだ……」と
思わず口走ってしまうほど
パーフェクトに近い大阪弁を使っておられました。

もちろんドラマの内容も素晴らしかったのですが、
主要キャストにネイティブな関西人を配した
ナイスなキャスティングに見事ハマってしまいました。
大阪・岸和田「だんじり祭り」を舞台にした
このドラマの脚本は
「恋の神様」などを手掛けた青柳祐美子さん。
実は『久世塾』の特別講師として予定されている方です。

内容もキャストも大満足だった『ただいま』ですが、
一つだけ、大阪人としてどうしても
気になる点がありました。
もし今度『久世塾』の講義でお会いする機会があれば、
ぜひとも直接
聞いてみたいと狙っています(厚かましいかも?)。
もしも首尾良くお聞きすることができれば、
いずれここでご報告したいと思います。

それでは。

文責 さとう

2000-04-08-SAT

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