■「久世塾おぼゑがき」10号
“人間”を描くには?
先日発表された『第18回 向田邦子賞』に、
今年前半のテレビ界の話題を独占したドラマ
「ビューティフルライフ」の
北川悦吏子さんが選ばれました。
おめでとうございます。
『21世紀の向田邦子をつくろう』という
コラムを書いているのも
何かの縁ということで(どんな縁や?)、
一言お祝い申し上げます。
北川さんといえば、「あすなろ白書」や
「ロングバケーション」(以上フジテレビ系)、
「愛していると言ってくれ」や
「最後の恋」(以上TBS系)など、恋愛ドラマを中心に
数々の話題作を手がけていらっしゃいますが、
僕なんかは今回の「BL」は、単なる悲恋ものではなく、
全編に“バリアフリー”というキーワードが
巧みに散りばめられた
新しいタイプの「人間ドラマ」として見ていました。
最近の、というかここ何年かのテレビドラマを見ていて、
暴力や犯罪・殺人事件など、
とかくショッキングなシーンの出てくるドラマが
多く作られる傾向があったように思うんですが、
見ている人たちは、もうそろそろそういうのに
“飽き”がきていたんじゃないでしょうか。
そんな時代の流れが、癒し系といわれた
「ビューティフルライフ」のようなドラマを、
ここちよく受け入れたのではないのかなと思います
(一視聴者として)。
そして人間を描くといえば、やっぱり向田邦子さん。
とにかく人間観察が鋭いとのこと。
何でもない日常の中の感情の機微を書かせたら、
右に出るものはいないといわれています
(と、さるプロデューサーからお聞きしました)。
実は人間を深く描くということは、
事件や犯罪を描くことよりも、
もっとエキサイティングな
チャレンジなのではないでしょうか。
そのへんのところは、
数多くの作品で向田さんと
コラボレーションを重ねてこられた久世塾長から
直接聞くことができるかもしれません。
正式オープンまであとわずか。
いよいよ『久世塾』が動き出します。
それでは。
文責 さとう
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