21世紀の
向田邦子をつくろう。

■「久世塾おぼゑがき」20号
 その手口をつかめ!


上手い脚本家とは?
という問いに、久世塾長は
「手口を使うやつ」と答えられました。
“テグチ”ってなんだ?
いったい誰がどんな手口を使っているんだ?

僕が心の中で呟いたそんな疑問に答えるかのように
久世さんは続けます。
「向田さんは“手口”を上手く使う作家だった。
 最近では北川(悦吏子)さんも
 上手い“手口”を使っている」

なるほど。
ではいったいどんな手口を?
「例えばトイレの前でのキスシーン。
 例えばあの赤い靴」
はぁ~、あれが“手口”なんですか。と、うんうん頷く僕。
で、もっとわかりやすく
説明してもらえませんでしょうか? 
と問いかける暇もなく
話は別の方向へと逸れていったのでした……。

以上は、前回の『久世塾』ミーティングでのひとこま。
実際には「上手い脚本家とは?」
なんて質問をしたわけではなく、
久世塾長の語るのをひたすら聞いていただけなんですが、
お話の内容はそのまま。
結局僕にはその“手口”の糸口すらつかめないまま、
何となく分かった気がしたような、しないような……。
でも僕はこの話を聞いて、
サスペンスの神様と謳われた
アルフレッド・ヒッチコック監督の逸話を思い出しました。

ヒッチコック監督はストーリーを考えるとき、
その中に必ず“マクガフィン”なるものを用意しました。
“マクガフィン”とは何か?
それはある者にとっては
何でもないモノ(コト)だけれども、
ある状況に置かれた、ある者にとっては
非常に重要なモノ(コト)。
う~ん、ちょっと違うかな……。
これだけではいったい何のことやら
お分かりにならないでしょうが、ん~、
説明するのが非常にムズカシイ……。

詳しくは映画本の名著
「ヒッチコック・トリュフォー映画術」という本に
書いてあります。
ご興味ある方は一度読んでみてください。
要は作術のキーワードみたいなものかな?
いや、どちらかというとディテールか?
う~ん、やはりムズカシイ……。

おそらく『久世塾』の講義で
その辺のことはクリアになるのではないでしょうか。
と、連休明けの今日は無責任に括ってしまいました。

それでは。
あっ、それからそれから、
この度『久世塾』に“iモード”対応サイトが
オープンいたしました。アドレスは以下の通り。
http://www.aida.to/kuzejuku/
ぜひこちらものぞいてやってください。

今度こそ、それでは。

文責 さとう

★久世塾正式サイトへのアクセスは
 http://www.kanox.co.jp/へ。

2000-05-08-MON

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