■「久世塾おぼゑがき」23号
ラジオは基本だ!
何年か前に「ラヂオの時間」という映画がありました。
元は東京サンシャインボーイズという劇団の舞台で、
作者はあの三谷幸喜氏。
ラジオ局の中だけを舞台にしたお話で、
ラジオドラマの生放送中に起こる様々な出来事を、
コミカル&サスペンスフルに描いた
シチュエーション・コメディの傑作です。
映画版では、脚本の三谷氏自らがメガホンをとりました。
今はドラマというと、
ついついテレビドラマを思い浮かべてしまいがちですが、
映画に描かれていたように、
今でも時折ラジオドラマは制作されており、
昔からの固定ファンも結構いるとのこと。
そうそう、かの名作「君の名は」も、
もともとはラジオドラマでした。
「ラジオドラマにはすべてが詰まっている!」
これは我が『久世塾』塾長・久世光彦氏のお言葉。
曰わく「ラジオは聞く人の想像力によって、
その世界が無限に広がる」そうです。
テレビとラジオの違い、
それは簡単にいうと“画のあるなし”。
当たり前のことですが、
テレビには画と音があるのに対して、
ラジオは音だけの世界。
それだけにラジオドラマのシナリオには、
聞く人の集中力を持続させるだけのパワーが必要です。
そして同時に聴取者の想像力を刺激し、
広げていく仕掛けをも要します。
音だけのシナリオでは、
テレビのようにロケーションや、
役者さんの表情だけで表現する
“見たままのシーン”というのはありません。
セリフとナレーション、それに効果音をフルに活用して、
耳からの情報だけで
そのストーリーを具現化していきます。
それだけにある意味、
脚本家本来の力量が試される仕事だともいえます。
中には「テレビよりもラジオドラマの方が
書いていて楽しい」というライターさんもいるそうです。
もちろん『久世塾』にも、テレビだけではなく、
ラジオドラマの世界で活躍されている
講師の方がいらっしゃいます。
「ラジオは基本だよ……」
久世塾長は僕らスタッフに向かって、
そう呟くように言われました。
脚本家を目指すあなた。
ぜひ『久世塾』で、その“基本”を見つけてみませんか。
それでは。
文責 さとう
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